古武術と教育と認知

武道必修化と古武道 - Togetterに関連して。
古武術については「そもそも大人数を教えられない」で話が終わってしまう所が多いと思う。
・思想的・文化的側面や実用的側面を単純化・理想化すると、どの方向性であってもおかしなことになる。
・世間の古武術イメージは、身近なレベルだと身体操作論に、身近ではないレベルだと地方の能のような伝承芸能の扱いになる。
・前者は、より幅広い層に興味関心を引き起こせるが、理想化が強いと個々の流派の実態とのギャップが結構ある。画一的な見方や下手をするとスポーツの下請け扱いになる。
・後者のイメージがうまくいくと地域での受容につながる(学校教育に取り入れられる例も実際にある)が、そうでない場合は「古くからやってる家の人だけがやっているもの」と思われる。
・もう一つのイメージはフィクションに出てくるもので、これは「実戦技術」兼「古い」である。格闘技漫画古武術と言えば分かりやすいか。
・これらのイメージは実際には色々混在している。
・・地域差や個々の流派の差が大きそうだが、単純に古武術知名度の低さが壁になる可能性が高いのではないだろうか。
・学校教育で教えるとなると、実際にやらせるものというより郷土史・地域文化の一つとして教えるものになる可能性は高い。
・地域の古武術について、資料(出版物や映像資料など)があるとその辺はフォローしやすい。
・授業で教えなくとも古武術を扱った漫画があれば子供になじみやすい。これは実際に地方出版社が子供向けにその地域の昔の武術の使い手、達人、藩校の漫画を販売し、学校や自治体の図書館が買っている例がある。
・ただし、これはエピソードがある程度豊富な流派でないと難しい。別に流祖でなくともよいが、その武術に関わる人物や事跡が必要。
・実際に子供が練習するというのでない場合にしても、学校などの場で教師や子供に対してその武術の意義や面白さを語れる・見せられる指導者はどれだけいるだろうか。これも個々の道場や団体で事情が変わるだろうが、一つの課題だろう。