シチリア棒術

イタリア武術紹介としてナイフ術ばかり取り上げてきたので、ここで一つ違うものを紹介しよう。
今回紹介するのはシチリア棒術(Bastone Siciliano)だ。
シチリア島では農民や羊飼いが牧羊に使う棒を使って戦う伝統があり、その歴史は西暦1200年頃にまで遡れるという。
シチリアの棒は野生動物や人間から身を守るために使われ、決闘(名誉の決闘や賭け勝負)も行われていたとされている。
伝統的な棒の素材にはオリーブ、ビターオレンジ、ワイルドローズなどが使われ、火であぶって弾力を保ちつつ硬化させる。長さは120cmである。
現在ではAssociazione Nazionale Bastone SicilianoやA.S.A.M.I.R. (Associazione Sportiva Arti Marziali Italiane Riunite)などの団体で指導が行われている他、ナイフ術の道場で指導されている例もある。また、伝統的な練習だけでなく、現代的な防具をつけた競技も行われている。


ナイフ術の指導も行うロベルト・ラウラの動画

昨日紹介したクアトロッチの棒術

防具をつけた試合