ボツネタの続き:「小説家になろう」と武術の用語や追加メモ

ボツネタ:「小説家になろう」と武術の知名度 - 火薬と鋼の話がまだ続ける。ボツにしたわりに話題は多いのだ。
なお、昨日のランキングに多少の武術を加えた。
追加したのは「カポエラカポエイラ):497件」「骨法:112件」。
骨法は他の用語も混在するが、ほとんどがあの骨法である。
試しに検索したものでは蟷螂拳が突出して多い件数になったが、これはGoogleが蟷螂と拳が別に登場してもヒット扱いしてしまうからのようだ。前回の表もフレーズ検索を使っていないものはあまりアテにならないかもしれない。


今回は「小説家になろう」の武術の登場件数を調べた際に面白いと思ったことをメモとして残しておく。

  • 剣道は現実の剣道と同じとは限らない
    • 前回紹介したように剣道の登場件数は19,400件と非常に多い。学園ものから異世界ものまで幅広く出てくる。
    • ただし現実の剣道と同じとは限らず「XX流剣道」のように剣術のような扱いになっている例もある。
    • 近代に剣道と剣術を同時に教える道場があった現実を反映しているわけではないと思う。
    • 柔道でも同様に〜流柔道という創作流派になっていることがあるが、剣道ほど多くはない。
  • 免許皆伝、黒帯、段位
    • 武術の習得程度を示すのによく使われるのが免許皆伝、黒帯、段位である。
    • この用語が幅広く使われるのでえらく違和感がある。「剣道の免許皆伝」とか「八極拳の三段」とか。
    • 現実でも段位システムは便利なので各国の武術で採用している例はあるし、分かりやすさ重視なら人口に膾炙した語を使うのもありか。
    • ちなみに「免許皆伝」は1,690件、「印可」は179件。武術の習得は他の用語で説明されていることも多い。
  • 武術の習得程度
    • 武術の習得や段階について上述したような用語を使わない作品も多い。
    • 「マスターした」「習得した」「極めた」といった言葉で説明されている作品がある。
      • このニュアンスも作品によって違う。現実の武術の習得段階と違う感じが多く、TRPGのスキルに近い。
      • 上述したような説明があれば、他を圧倒するような技術を使いこなせると思っていい。
    • 謎なのは、軽く習っただけ、かじっただけというキャラクターが強い例が結構あること。
      • 毎年年に一回習っているだけとか、護身術として短期間習った、とか。
    • 武術の習得段階、特に中途の段階についてのイメージは作品によって様々で、一般化しにくい。
  • オリジナル武術
    • 「なろう」作品のオリジナルの武術や流派は数多く、ちゃんと整理すれば論文が書けるのではないだろうか。
    • 剣術や空手、上述したように剣道までオリジナル流派がある。ファンタジー色の強いものも含めて多岐に渡る。
    • 「槍道」のように現実と微妙にずれた名前のものは何となく目に留まる。
    • 既存の架空の武術が登場することも僅かだがある。例えば機甲術とか。
  • ステマは他の武術と比べてどのくらい使われているか
    • ステマの70件はかつて様々な漫画に登場した骨法(112件)よりも下。
    • 形意拳(77件)のやや下。八卦掌(145件)、少林拳(102件)などの中国武術より下に位置している。
    • 固有名詞がある軍隊格闘技の中ではコマンドサンボ(67件)に近い。
    • 軍隊格闘技にそれらしい固有名詞がないものが多いので、これはコマンドサンボ(コンバットサンボ)との比較という意味しかないかもしれない。