中国の護身用の笛いくつか

ここ一年以内のことだが、護身用品についてWeb検索すると中国の武器として使う笛がヒットするようになった。
製造・販売は中国だが、海外向けに輸出もされている。alibabaのほか、ebayでも見かける。
もともと護身用に金属製(主に鉄製)の笛が使われたことはマニアには知られており、フィクションにも登場するが、実際の商品としてはマイナーなものだったはずだ。
数少ない実物の例として、日本では鉄扇堂の鉄笛という例があるし、中国武術・武器博物館の少林鐵笛の紹介を見たことがある人もいるだろう。
しかし珍しい品で、量産品が出回るようになるとは思っていなかった。
面白いと思ったので、よく見る3種類を紹介してみる。
なお、実際に買ったことはないので取引の確実性や武器・笛としての品質についてはどういう保証もできない。

打撃武器用金属笛


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画像は中国の縦笛、笛子(dizi)型の金属製の笛。この他に簫(xiao)型もある。
こうした笛の素材はステンレスや真鍮、チタンで、そのまま打撃武器になる護身用の笛として販売されている。ちゃんとC調、D調、G調、F調といった種類があり、実際に吹けるようだ(笛膜をどう貼るのかは分からない)。強度を考えると武器として一旦使用したら笛としての機能は落ちるのではないだろうか。
金属部分の厚さは2〜3mm、直径は25mm程度、長さは40cmから80cm程度まで様々なものがある。
画像の笛は竹のように加工されているが、単なるパイプ状の製品もよく販売されている。
このように笛を単に丈夫な金属製としたものを護身用として販売している例が最も多く、製品バリエーションもこのタイプが一番多い。

仕込み剣付き金属笛




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画像のように金属製の笛に仕込み剣がついているものもある。
このタイプは剣の鞘が笛になっているようなもので、剣を入れたままでは吹けない。
金属製の笛も剣もどちらもそれぞれ武器となるが、剣と笛を合体させて槍のように柄の長い剣にすることができる。
この製品は収納時の全長73cm、笛の長さ61cm、ブレードの長さ42cm、合体時の長さ115cm、ブレードの幅は1.6cm、ブレードの厚さ3mm。全体の重さは1kgになる。
画像の笛や柄は真鍮製だが、ステンレス製の製品もある。
ブレード部分はステンレス製。剣は太極拳練習用とされており鋭利な刃はつけられていない。

杖型金属笛



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画像の製品は、笛の先端が杖(ステッキ)の握りになっているもの。
杖として使う場合は口を付ける部分にゴムキャップをはめる。
画像のタイプはチタン製で、長さ89cm 重さ750g。