『ジョン・ウィック』にシステマが登場するというデマ

今日の練習でちょっと話題に出た件。
キアヌ・リーブス主演の映画『ジョン・ウィック』(2015年10月日本公開予定)にロシア武術システマが登場するという記事を載せたサイトがあった。遡ると出所は日本の公式サイトのコラムだ。
しかし映画の情報や動画を見ても、システマが登場するようには見えないためシステマ練習者の間で話題になった。
参考に予告とアクションシーンの動画を出しておく。

英語圏の記事を見てもシステマが登場するという情報はない。
公式サイトでは主人公のアクションを「ガン・フー」と呼んでいる。
「ガン・フー」は「ガン(銃)+カンフー」の複合語で、『リベリオン』のガン=カタのような銃と格闘技を組み合わせた創作上のアクションの総称だ。
固有名詞ではなく、英語圏で香港映画のガンアクションなどに対して以前から使われている。
では、実際には『ジョン・ウィック』のキアヌ・リーブスが使っている技術は何か。
これに関しては格闘技雑誌『Black Belt』誌が今年2月に記事にしている。
http://www.blackbeltmag.com/daily/martial-arts-entertainment/martial-art-movies/keanu-reeves-learns-judo-and-jujitsu-for-his-new-movie-john-wick/
この記事によると、まずキアヌは映画のために柔道とブラジリアン柔術を学んだ。そして映画のアクションには実戦的な格闘技と銃とを組み合わせる必要があったため、製作者達は新しい近接格闘技を作り出したとされている。システマは関わりがない。
この映画のアクション事情についての動画も公開されていた。

なお、このエントリを書くために発端となった記事を確認したところ、削除されていた。
→と思ったら復活していた。何だったのだろう。