マイナーな海外武術の練習用武器の入手について

ロシア武術のシャシュカ(コサック・サーベル)の木刀についてこれまで何度か書いてきた。
ここに至るまで試行錯誤があり、様々な国の変わった武術練習用の武器の販売例を見てきたので、その入手について書き残しておこう。ネットショップ中心の話だ。

  • まず当たり前のことだが、武術の練習用品はその武術が盛んな国・地域の武術用品店・格闘技ショップでみつかる。
    • 数多くの国で受けている武術は各国でその国向けの練習用品が作られている。
    • 例えばフィリピン武術は各国で盛んで様々な国で練習用武器が製造販売されているが、珍しいもの、凝ったものはフィリピンで武術指導者が製作していることが多い。こうした物は入手経路が限られる。
    • いくつかの武術の武器は店売りがなく、その武術の団体やフォーラム(掲示板)で販売されている。
    • このように練習用武器を探すにはその武術の事情に合わせて色々試行錯誤する必要がある。
  • 法規制の違いがあって、練習用武器でも日本の銃刀法に触れるものがある。
    • 刀身が鋼質性の刀剣・槍・両刃の短剣などは税関で止められる(税関で廃棄するか刀身切断するか輸入者が選択することになる)
    • このため輸入できる大型の練習用武器は木製、アルミ製、樹脂製のものである(他の非鉄金属製で輸入できるものもある)。
    • 厄介なのは半端な大きさの練習用武器。フィリピン武術のボロのように刀剣とナイフの中間のサイズだと鋼の刀身でも問題ない場合がある。実際に刃がついていても輸入できる大きさ・形状のものなら問題ないはずだが、絶対大丈夫とは言えない曖昧さがある。
    • 海外に発注すると相手が日本の規制について聞いてくることがある。相手の言語で説明できるようにしておくこと。銃刀法を英語で説明できれば大体問題ない。
      • 木刀の輸入でもメーカーから検疫の有無について質問されたことがある。
  • 練習用品は個人レベルの工房で製作されていることが多く、特別注文、カスタムを受注してくれるところもある。
    • ただし、個人メーカーは専業ではないことも多く、連絡が滞るとか、期日どおりに完成しないとか、既に受注を止めているとか、金を払ったのに消息を絶つとか、うまくいかないこともある。
    • WebサイトやSNSで最近の活動や評判を確認しておくことが重要。
    • また、メーカーによって得意不得意があって、変わった武器には対応できないとか、製造できても出来が悪いということもある。
      • 例えばトレーニングナイフの製造中心で練習用刀剣は得意ではないといったように。
    • こうしたことから事前の情報入手と打ち合わせが重要になる。発注前に相手の技術を把握しておくべきだし、発注の際は練習用武器の形状やバランスについて相手の言語で説明できなけれがならない。また実物を前にやり取りできないので簡単なものでもから図面が必要になる。
    • クレジットカードで払えないメーカーも多い。支払いはPayPalやWestern Union、国際送金為替など色々ある。国際送金・決裁手続きについて知っておかなければならない。
    • 発送方法について希望を聞かれることもあるので、その知識も必要。
  • まとめ。
    • 求める練習用武器がどこで手に入るのか各国のネットショップ・武術団体ホームページ・フォーラムを調べまわること。必要に応じて複数の言語で検索する。
    • 日本の銃刀法の規制・相手国の規制・ショップの説明などから日本に輸入できるものかどうか確認すること。
    • 欲しいものがなく、カスタムで作ってもらう場合には注文に応じる能力があるメーカーがいるかどうかを調べること。
    • カスタム品を依頼する時の練習用武器の図面や説明をあらかじめ用意した上でさらに細かい点までコミュニケーションをとる能力が必要になる。
    • 個人輸入の様々な発送方法・決裁方法について理解しておくこと。