システマの話:情報が豊富に公開されていても正しく伝わるとは限らない

2013年に書いたシステマを知らない人にシステマを紹介するための動画の動画がいくつか消えていたのでリンクを貼りなおした。
こうして見るとシステマは武術としてはかなり情報が公開されている。
無料の動画が数多く公開され、金を出せば本、雑誌記事、DVDも日本語のものが多数手に入る。
練習者の実際の様子や指導内容をかなり知ることができるのだ。
それにしては誤解されているというか、間違った解説がネットに見られる。
どうしてなのか、考えると大体次のようなところではないかと思われる。

  • 言語の壁

無料で見られる動画の中の説明の多くはロシア語・英語であるため、多くの日本人は内容をよく理解できない。
一方、日本語で情報がまとまっている映像資料は金を出さなければならない媒体であるため、ネットでは情報源として広まらない。

  • 部分的な情報の弊害

ネット等のシステマの情報は断片的で、継続的にシステマの練習に参加している人間以外には全体像や練習の目的といったものを把握しにくい。
このため部分的な情報から再構成しようとして個人の先入観や勘違いが入り込んでしまう。
これは言語の壁の問題とも関わっており、動画の限られた情報、練習の一部に対して変な解釈をつける人が生じる。

  • 誤った情報の流布

非練習者によってまとめられた情報に誤りがあり、それが浸透してしまうことがある。
そして確信をもって伝聞・独断を他人に教えたがる人がいるため、誤りがさらに広がる。