「小説家になろう」「ハーメルン」に登場するシステマを分析する

昨日、寝つきが悪かったので深夜にネット小説投稿サイトの分析をした。
2つの投稿サイトからロシア武術システマが登場する小説をGoogleで探し、テキストマイニングで分析してみたのだ。
小説に登場する「システマ」と関連する語を共起ネットワーク図で示すようにやってみた。
共起ネットワーク図とは、出現パターンの似通ったものを線で結んだ図である。
ただし、深夜の頭は全く冴えていなかったので前処理の出来からして怪しいと思う。
この結果は他の武術の結果と比べたほうがいいのだろうが、対象となる作品が多すぎて前処理が大変なので手軽にできそうにない。

小説家になろう」のシステマ

小説投稿サイト「小説家になろう」を検索してシステマが登場する作品のテキストを抽出し、分析した(「小説を読もう!」も含まれる)

  • 検索実施日時は2016年5月18日午前1〜2時。
  • Googleのサイト内検索を用い、site:ncode.syosetu.comで検索した結果から抽出した。検索結果は63件。
  • 検索結果の内容を確認し、ロシア武術と関係ない人名・組織名等に使われているシステマは除外している。

ステマと関連する語を見る共起ネットワーク図は以下の通り。
線と線で結ばれている語が、強い関連があった語。共起の程度が強いほど線が太い。出現数の多い語ほど円が大きい。また、各要素間の関連性が強い集合が同じ色になるように設定している。

ハーメルン」のシステマ

二次創作中心の小説投稿サイト「ハーメルン」でも同様に検索して分析した。

  • Googleのサイト内検索を用い、site:novel.syosetu.orgで検索した結果から抽出した。検索結果は70件。

語の関連を見る共起ネットワーク図は以下の通り。

まとめ

  • どちらの投稿サイトの作品でもシステマはロシアの軍隊格闘技と説明されることが多い。
    • 意外なことに「特殊部隊」はどちらの図にも出てこない。
    • スペツナズ」はハーメルンの図にのみ出ている。
    • 「特殊部隊」や「スペツナズ」が小説に出てこないといわけではなく、作品内の文章で相対的にシステマとの関連が薄いのである。
  • 小説のシステマの使い手は兵士やその関係者であることが多い。ストーリー上もミリタリーテイストが強い作品が多くあるため、ロシア以外の軍に関連する語も図に出ている。
  • ハーメルン」のほうがシステマの歴史・技術に関わる語がやや多い。これはシステマを使う主人公が登場する作品が複数あることが理由と思われる。
  • ステマの基本原則に関わる「脱力」「リラックス」「呼吸」「姿勢」といった言葉が出てくる。これらの語は小説の中でシステマの解説に使われている。
  • 他の武術・格闘技名が図にいくつも出ているのは、システマを含め複数の格闘技を学んだ人物がよく登場するため。
    • 小説家になろう」の図に登場する「MCMAP」はMarine Corps Martial Arts Programの略で、アメリ海兵隊の近接格闘プログラムのこと。
    • なお、複数の格闘技を学んだ中の一つがシステマの場合でも、システマの扱いが大きい作品はある。
  • 「CQC」がどちらにも登場しているのは、日本ではゲーム『メタルギアソリッド3』の影響からか、軍警察の近接戦闘一般を指すCQCについて特定の国・様式の軍隊格闘技を意味するかのような奇妙な認識が広まっているからだろう。要するに「アメリカの軍隊格闘技CQC」という誤解が広がっているため、「ロシアの軍隊格闘技システマ」と並べて扱われているのである。

追加の図

以下、2016年5月20日に図を追加した。
追加分は名詞に限定して分析し、共起ネットワーク図にしたものだ。
サブネットワークによる色分けはせず、中心性で色分けした。水色・白・ピンクの順に中心性が高い。

小説家になろう」のシステマ分析追加

ハーメルン」のシステマ分析追加