「小説家になろう」「ハーメルン」に登場する形意拳を分析する

昨日の「小説家になろう」「ハーメルン」に登場するシステマを分析するに続いて、今度は形意拳テキストマイニング分析をしてみた。
なぜ形意拳かというと、ネット小説の登場件数が少ないのでやりやすいからだ。
例えば創作で人気の八極拳でやるとかなり作品が多いために大変な作業になるだろう。
今回は小説に登場する「形意拳」と関連する語を共起ネットワーク図で示す。
共起ネットワーク図とは、出現パターンの似通ったものを線で結んだ図である。
前処理として、中国武術形意拳で使われる用語・人名を語句として認識するように設定している。

小説家になろう」の形意拳

小説投稿サイト「小説家になろう」を検索して形意拳が登場する作品のテキストを抽出し、分析した(「小説を読もう!」も含まれる)

  • 検索実施日時は2016年5月19日午前5〜6時。
  • Googleのサイト内検索を用い、site:ncode.syosetu.comで検索した結果から抽出した。検索結果は62件。
  • 考察やエッセイは除外している。

形意拳と関連する語を見る共起ネットワーク図は以下の通り。
線と線で結ばれている語が、強い関連があった語。共起の程度が強いほど線が太い。出現数の多い語ほど円が大きい。また、各要素間の関連性が強い集合が同じ色になるように設定している。

ハーメルン」の形意拳

二次創作中心の小説投稿サイト「ハーメルン」でも同様に検索して分析した。

  • Googleのサイト内検索を用い、site:novel.syosetu.orgで検索した結果から抽出した。検索結果は40件。

語の関連を見る共起ネットワーク図は以下の通り。

まとめ

  • どちらの投稿サイトの作品でも形意拳は中国拳法として説明されている。
  • 技術については「五行拳」、「三体式」、「崩拳」、「劈拳」といった語がよく使われる。
    • 「五行拳」が多い。なぜか「小説家になろう」では「崩拳」が、「ハーメルン」では「劈拳」が図に出ている。「劈拳」は槍との関係性で出てきたようで、単純な登場件数・登場作品数では2サイトとも「崩拳」のほうが多い。
    • 「十二形拳」は図にもないが実際の登場数も少ない。「小説家になろう」の作品内に一件登場するだけである。
  • 図に出てくる人名は「岳飛」のみ(岳と飛に分かれてしまった)。実際の作品には尚雲祥(ハーメルンのみ)、郭雲深(2サイトとも)の名前が複数回出てくる。他に登場する実在の拳士名はない。

追加の図

以下、2016年5月20日に図を追加した。
追加分は名詞に限定して分析し、共起ネットワーク図にしたものだ。
サブネットワークによる色分けはせず、中心性で色分けした。水色・白・ピンクの順に中心性が高い。

小説家になろう」の形意拳分析追加

ハーメルン」の形意拳分析追加