昨日の続き。武術・武器の誤解とネット小説

武術・武器知識のアップデートは創作に遅れて出てくる - 火薬と鋼の続き。

  • 武術・武器については誤解が広まる経路の一つにネット小説があるが、それも一様ではない。
    • 例えば「マーシャルアーツ=アメリカンキックボクシングや軍隊格闘技」という誤解は、「小説家になろう」では極めて少なく、「ハーメルン」では多い。
    • 間違った薀蓄を披露する人がいて、それを真似て(あるいは独自解釈を加えて)さらに誤解を広める場や作品がある。情報発信源の人気やコミュニティの性質によって事情が変わる。
  • 「ハーメルン」登場武術ランキング2016に書いたようにネット小説にカポエイラの登場件数が多いというのも、そうした知識の発信源・入手先の影響によるものと見て良さそうだ。
    • 無数の武術を学んできたというキャラクター設定の多くは別の作品の真似であり、そのためそうした設定に出てくる知名度の低い武術名がそのまま流用されている。
    • さらに遡ると伝聞や商業出版などに行き当たるものもあるだろうが、今やネットだけでかなり情報が往来している。
    • また、ちょっとした薀蓄を広めたがる人もかなりいる。
    • 例えばネット小説投稿サイトの感想掲示板で、作者に武術知識の薀蓄(しかも間違っている)を授ける読者とか。
  • 二刀流や居合、刀剣についての誤解のような有名どころはさておき、数多く読むとマイナーな誤解が定着している例もみつかる。
    • 前に書いたCQCを特定の軍隊格闘技の様式扱いしているのもその一例だ。
    • 誤解がミックスしたのか、CQCとマーシャルアーツはそれぞれ別の戦闘スタイルの軍隊格闘技だとしている話を読んだことがある。
  • こういう誤解は新しいWebサービスにもそのまま伝播するらしく、「カクヨム」にも既に既存の誤解が多く見られる。転載作品も多いので当然だが。