戦闘ナイフの持ち方と保持力

先日、とある場でナイフ格闘でのナイフの持ち方の話をしたので、ここにも同じ話を書いておく。
格闘で使うナイフの持ち方に欠かせない要素として「どれだけしっかりナイフを保持できるか」というものがある。
例として三つの持ち方の例を示す。
(1)ハンマーグリップ

(2)セイバーグリップ

(3)フィリピン武術の一部で見られるグリップ。ナイフを4本指の側で保持し、親指(あるいは人差指も)がフリーになっている。

保持力が強いハンマーグリップはナイフを落としたり相手に奪われたりする可能性は低いが、ナイフの可動域は狭い。
セイバーグリップは保持力ではハンマーグリップより落ちる反面、可動域は広くなる。
(3)のグリップはナイフを4本指の側で保持し、親指・人差指で相手をつかむ(人差指は使わない人もいる)格闘技術のためのグリップだ。関節技や投げ技に移行しやすい反面、このグリップのままではナイフを保持する力は低い。
保持力の強さで並べると(1)>(2)>(3)だが、しっかり保持しているほど使える技術の多様性は少なくなる。
ナイフをいかに強く保持できるかといかに柔軟に運用できるかはある程度トレード・オフの関係にあり、どの要素を重視するかで教えるグリップも異なる。ずっと同じグリップでいるとは限らず、状況で使い分けることもあるが、どの程度使い分けるかも人による。
大雑把に言って軍隊格闘技など軍方面の人は保持力重視の人が多いようだが、例外もあるのでこの種の知識で決めつけは禁物だ。