ゲッサン12月号の『MASTERグレープ』第2話(ネタバレあり)

ゲッサンの現代武器術漫画『MASTERグレープ』第1話のナイフについて(ネタバレあり) - 火薬と鋼で触れた第1話が公式サイトで公開された。
これで第1話を見逃した人も読める。
公式サイト:MASTERグレープ | ゲッサンWEB


さて、11月11日にこれに続く第2話が掲載されたゲッサン2016年12月号が発売された。

ゲッサン 2016年 12 月号 [雑誌]

ゲッサン 2016年 12 月号 [雑誌]

で、id:gryphonさんに次のように振られているので、今回も読んでみた。

id:machida77さんには、この後も注目してほしいところです(他人任せか)


ゲッサンで「(平時の日本での)武器格闘術」がテーマの漫画「MASTERグレープ」が始まる。 - はてな内移転準備中※何度か試みたが巧くいかんより

以下ネタバレあり。
あの展開からどうなるかと思ったら、武道に力を入れる高校に入る話になった。
強さに憧れを持つ佐倉勇太・祖父から受け継いだ杖術から離れがたい梅崎武道の二人に対し、剣術を使う桃山安守哉が武道に力を入れている元舞高校の存在を教え、二人の進路が決まるのが前半の話。後半では元舞高校に進学した佐倉と梅崎が武道部を訪問したところ、槍を使う部員と試合をすることになる。杖対槍の勝負である。

  • 前半の見所は武道を求める中学生とそれを止めない周囲の理解ある人間というところか。
    • やりたい事が親の考えと違う中学生、疎外感があって周囲に馴染めない中学生には理想的な展開。
  • 普通の中学生のような娯楽に馴染めない梅崎に対して桃山が「他のつまんねー連中にあわせる事ねーよ」という場面がある。
    • いい年した読者としては「武術をやっている特別な自分に浸って普通人を蔑む武術修行者」を連想してしまうのであった。そういう人は自分の周囲にはいないがネットにはたまに存在するので。
    • ゲームのような娯楽や一般的な生徒の生活と武道中心の生活を対照的に扱うのは物語として分かりやすいが、前者を落とすような発言を見ると、人生を危ぶんでしまう。
    • この子たちは将来の就職とか人生設計とかどう考えているんだろう。
  • 後半は杖対槍の武器対決が見せ場である。
    • 第1話同様、登場する技術は必ずしも現実にあるものではない。
    • かなりアクロバティックな創作の技が登場。今後も恐らく現実を元にした技より派手な方向性で行くのだろう。
    • 試合では杖の全速の振りで相手のアゴをかすめている。あれが狙い通り当たっていたら大怪我だ。だが最後の留めは寸止めだった。かなり危険なことをやるのだから、試合の条件についてはもうちょっと事前にやり取りがあっても良かったのではないか。
    • 戦いの前の会話で自他の安全を確保することを考えていない。
  • 今回は進路と試合の話なので現代的な戦闘はない。
  • 試合相手は路上での喧嘩の経験から武器を求め、槍を使うようになったという話だが、なぜその経験で持ち歩きにくい槍なのか。今後の展開でその辺の事情も出てくるのだろうか。
  • 武器を使う古流武術と現代の喧嘩・護身の接点が課題だと思う。