武術に関する情報流通とメディア・創作物について

  • 武術知識の広がりについて少し書いてみる。
  • 武術本の多くはこれから練習を開始する人に向けて書かれていることが多い。
  • しかし一般に流通している武術情報のほとんどは小説・漫画等に登場したものである。
  • そして需要があるのは創作物、フィクションに登場するようなかたちでの知識だったりする。
  • どのように戦うのか、どのような特徴や長所短所があるのか。あるいはキャラクター性と言ってもいい。
  • フィクションに登場する武術の個性は、しばしば現実の武術より作者が考えたキャラクターありきで作られる。
  • そうした作為が一般に広まりやすい知識・イメージを作品内で醸成している。
  • 武術を実際にやる気はないが、知識として押さえておきたい層というのがいて、そうした層の人は武術のキャラクター性を知りたいのである。フィクションに登場する武術知識はその要求にうまく当てはまっている。
    • 武術本と小説・漫画等では読者数に差があるということも大きいけれど。
  • もちろん構えや型、技法についての知識も求められるが、武術本で紹介されているのはもっぱら練習方法であって、どのように戦うかの話は少なく、しかも非練習者に分かりやすい情報提示ではない。
  • 恐らく武術本でちょっと紹介されているような名人・達人が実際にその凄さを見せたエピソードのほうが非練習者には求められている。