先日の「小説家になろう」登場武術ランキング2017 - 火薬と鋼に関連して、六葉さん(@h_rokuyou)さんの次のようなツィートがあった。
近代兵器の運用の中で採用されてきた格闘技をよく知らないで話に組み込むのが難しいからという気もする。
— 六葉@本厄終了 (@h_rokuyou) 2017年6月10日
前からネット小説の中の軍隊格闘技の扱いについて書こうと思っていたので、ちょうどいい機会なので書いてみる。
- まず前提として、現在「小説家になろう」等に投稿されるネット小説の主流はファンタジー・異世界など特殊な世界観で戦闘では剣と魔法が主に使われている。
- 登場する武術の多くは創作であり、特殊な世界観に合わせたものがほとんどである。
- ネット小説に登場する実在武術は、その武術が本来想定している状況や仮想敵といったものは必ずしも重視されない。
- ネット小説に適合できるかどうかはその武術のイメージや来歴といった要素とどれだけ戦闘能力を作品に合わせて膨らませられるか。
- 威力の増大は強い武器の使用、あるいは魔法や気など特殊な技術との組み合わせで説明される。
- 軍隊格闘技は軍・実戦・冷酷さといったイメージは強固だが、戦闘能力については極端には膨らませられないものとして扱われている。
- 情報の少なさの問題
- そもそも軍隊格闘技の存在を知らない人はかなりいる。
- 技術の全体像についての知識も得にくい。結果的に誤解もある。
- 他の武術でできることが軍隊格闘技でしかできないと思われていたり、軍隊格闘技でできることができないと思われていたり。
- ネットや書籍、あるいは格闘技漫画などの既存のフィクションで得られる知識の限界も影響しているのだろう。
- こうした事情で軍隊格闘技は登場する作品が少なく、登場する場合は3パターンがある。
- 1.軍事、ミリタリー色が強いパターン
- 2.軍と関わりがなく護身術、対人格闘を主としたパターン
- 3.無数の格闘技の中の一つとして登場するパターン
- 登場人物の強さの演出として無数の格闘技をマスターしている例があり、その中の一つに軍隊格闘技が出てくることがある。
- この場合、説明はされてもあまり具体的な活躍はしないことが多い。