月刊秘伝の「これがすごい!最強マンガ大賞」候補にない漫画について

結果発表! 最強マンガ大賞|WEB秘伝
雑誌『月刊秘伝』が武道・武術マンガの人気投票を実施している。
かなり珍しいマンガも候補にある反面、取りこぼしも結構あるようだ。
格闘技漫画好きなら10や20はこの投票候補にない漫画を挙げられるのではないだろうか。
候補になくとも「その他」で書けるので何とかなるが。
この投票候補にない作品全てを挙げるととんでもない数になりそうなので、「これくらいあっても良かったのでは」「これは忘れられがち」と思う作品を紹介してみる。


・『骨法伝説夢必殺拳』(永井豪

骨法伝説夢必殺拳 (講談社漫画文庫)

骨法伝説夢必殺拳 (講談社漫画文庫)

邪馬台国時代の骨法というすごい設定の骨法漫画。コミック冒頭のキャラ紹介で主人公の夢火古は「史上最強の骨法の達人」と紹介されていていきなり最強扱いである。堀辺正史監修で技術解説がちゃんと入っているあたりも味わい深い。『修羅の門』と連載時期が一時かぶっているのだが、覚えている人はいるだろうか。
骨法漫画は色々あるのでもっと候補に入っていてもおかしくはなかった。


・『エアマスター』(柴田ヨクサル
それなりに有名な漫画だが入っていなかった。


・『バーチャファイター美闘伝サラ』(原作:伊津木敏弘・作画:鬼窪浩久
格闘ゲームバーチャファイター』はその人気のために8作品もの漫画が描かれた。その中の一つで週刊プレイボーイで連載されたのがこれ。
ジークンドー使いの主人公という珍しさもあるし、実際の中国武術や格闘技の技術の話題をうまく使っていた。
バーチャファイター漫画ではこれと秋恭摩バーチャファイター影』が印象深い。
格闘ゲームのコミカライズはもっと候補にあっても良かった。


・『餓狼伝』(原作:夢枕獏・作画:谷口ジロー
餓狼伝 (MF文庫)

餓狼伝 (MF文庫)

板垣版を候補に入れるなら谷口版も必要だろう。


・『薩南示現流』(原作:津本陽・作画:とみ新蔵
薩南示現流 1巻

薩南示現流 1巻

とみ新蔵作品があれだけ候補に入っていてなぜこれが抜けているのか。
しかし時代漫画は多すぎて剣術使いが主人公の作品だけでもかなりになるので、挙げていくとキリがない。森田信吾作品だけでも複数ある。
候補に『サスケ』があることから忍者が出てくる漫画も含めるとさらに候補にできる作品は増える。


・『ケンガンアシュラ』(原作:サンドロビッチ・ヤバ子・作画:だろめおん)
ケンガンアシュラ(1) (裏少年サンデーコミックス)

ケンガンアシュラ(1) (裏少年サンデーコミックス)

架空武術ばかり登場する漫画だが、既に『北斗の拳』『覚悟のススメ』まで候補に入っている以上、架空のすごい武術が出てくる漫画を候補にするのは問題ないだろう。とすれば現在の人気格闘技漫画の一つであるこれが入っていないのはおかしい。
それにしても架空の武術で現実味がない作品はとんでもなく多いので(男塾や『闘将!拉麺男』だって入る)、そうした作品をどこまで候補に入れるかは難しいところだと思う。


・『宇強の大空』(原作:梶研吾・作画:岡村賢二)
宇強の大空 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)

宇強の大空 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)

宮本武蔵が創始した徒手の武術、武蔵裏天流を継ぐ主人公の戦いを描いた作品。登場する技にとにかく派手な技が多い。
同じ月刊少年ジャンプ連載作品で全8巻の『キック・ザ・ちゅう』が候補に入っているなら全13巻のこれが候補にあってもよいはず。
月刊少年誌の武術漫画、格闘技漫画は話題になりにくい作品がかなりある。石川けんじ『其の七の者』とか。


・『掌の歌』(藤田和日郎
形意拳の郭雲深をモデルとした読み切り作品。短編集『夜の歌』所収作品の一つ。藤田和日郎で武術漫画と言えばまずはこれだろう。
この手の投票では読み切りや短編は候補に入れにくいものなのかもしれない。岩明均『剣の舞』もその一例。