欧米の試し切りで畳表が使われている理由

みんみんぜみさんのツィートから。


確かに欧米の試斬で日本刀はもとより西洋の剣などでも畳表がよく使われている。
この件についてはヨーロッパの歴史的な武術HEMA(Historical European Martial Arts)の団体の試し斬りに関するWebページに説明がある。
該当部分を翻訳してみよう。

なぜ標的として畳を使うのですか?
畳は2つの基本属性のために有用で、どちらも肉を切るシミュレーターではありません。
1つ目は、切るクオリティについての優れたフィードバックを提供するということです。成功/失敗のフィードバックを提供するだけではなく(つまり、切断できたかどうか)、振りの作用についてより多くの情報をもたらしてくれます。
二つ目は一貫性のためです。畳に対して試斬を実行するたびに、同じ動作を示すことになります。結果が異なるのは、斬り手によるものです。これは、競技用の標的を準備する際に特に重要です。
Test Cutting FAQ — HEMA Cutting

以上のように説明されている。
また、畳表もそれを設置する台も様々な国で販売されるようになっているため、現在では入手しやすいというのも理由の一つだろう。
余談だが、この種の海外の試し切り動画に日本から「切れ味が悪い」という反応がよく出てくる。よく切れている内容でもそういう反応があるのは、アニメ等で切られた対象が変化しないような描写を現実のものと思い込んでいるせいではないだろうか。『ルパン三世』の五右衛門が切った後のような結果をイメージしていると、現実の試し切りはよく切れていないと思えるかもしれない。