2019年のシステマ登場ネット小説118作品を読んで

2019年に公開された小説投稿サイトのシステマ登場作品を確認した。
これは昨年7月にやった調査と同じような方法でロシア武術のシステマが登場している2019年のネット小説118作品を調査したものだ。
machida77.hatenadiary.jp
2018年の128作品より総数は減少している。
以下、簡単に調べた結果をまとめておく。

ネット小説投稿サイト別の作品数

小説投稿サイト別に集計、円グラフにしてみた。
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過去の調査から予想できるように投稿作品総数が多い「小説家になろう」が一位である。
次点はpixiv、その次がハーメルンとなっている。
pixivでは近年の傾向が続き、女性向けの二次創作小説での登場数が多く、中でも『名探偵コナン』二次創作が11作品と最も多い。

ネット小説の中のシステマ使いの出自・経歴

118作品から言及のみで実際にはシステマを使う人物が登場しない作品を除外すると94件となる。
この94件について、システマ使いの属性を調査した。

  • 出身地
    • 日本54、ロシア20、その他21であり、日本出身者が大半を占めている。
  • 性別
    • 54作品で男性が使い、36作品で女性が使っている。(男女それぞれが同一作品に登場する場合は別カウントした)
    • それ以外は性別不明か転生等で途中で性別が変わっていてカウント不可とした作品である。
  • 主役・脇役
    • 45作品で主役がシステマを使っている。
  • 所属・職業
    • 小学生2件、中学生0件、高校生21件、大学生2件、軍人・元軍人11件、警察・法執行機関6件
    • 要するに高校生が多い。高校生であることが明記されていない作品も含め、システマ使いは10代後半が最多。
    • 成長している話や転職している例もある。集計は初登場時の所属・職業を記述した。

ステマ使いの他の格闘技経験

  • ステマしか使わない人物が出る作品は53件。
  • ステマに加えて他の格闘技・武道・武術経験がある人物は41作品に登場する。
    • 他の格闘技経験を多い順にカウントすると空手18件、柔道17件、ボクシング11件、合気道11件、剣道5件、サンボ(コンバットサンボ)5件
    • 5件未満には様々な武術、格闘技が含まれる。

技術的な特徴

  • ステマの呼吸法が登場する作品が10件、うちバーストブリージングが登場する作品が3件
  • 実際には存在しないシステマの構えが登場する作品が1件
  • 呼吸法以外の具体的な技術解説が登場する作品は少ない。
  • 説明が登場する場合、現実のシステマの解説に合う内容がほとんどだが、たまにシステマの打撃について「極限まで弛緩した」とか「脱力しきった」といったちょっと誤解した解説を見るようになった。