埼玉県立嵐山史跡の博物館企画展「武蔵武士の食と信仰 -食べて 祈って 戦って-」


埼玉県立嵐山史跡の博物館へ。
嵐山史跡の博物館は、鎌倉時代畠山重忠が住んだとされる菅谷館跡を保存管理する展示施設だ。
展示は小さく、常設展示もあまりないが、企画展示で珍しい内容をよく扱っている。
今回は企画展「武蔵武士の食と信仰 -食べて 祈って 戦って-」に行ってきた。
埼玉の武士の食に関連する出土品、史料、絵巻や再現画像などを展示している。
国立科学博物館の和食展を楽しめる人なら楽しめるはず。
こちらは再現写真もあるが文字資料・絵画資料が多く、武蔵という地域性や中世の時代性、武士という立場と食が絡み合った展示内容となっている。
贈答品としての食、寺社の穢れと狩猟といった事柄に関しても扱っている。
展示のなかでは『世俗立要集』の武士の肴の出し方の作法が面白い。
鎌倉時代の武士の酒肴は贅沢なものではなく梅干しの出し方も同書には出ているのである。

過去の図録も買った。
図録「実相 忍びの者」は、フィクションの忍者から江戸時代の忍者イメージや伝承、戦国の実際の忍びの記録まで扱っている内容で、かなり多岐に渡る。フィクションの忍者も新旧幅広く紹介し、戦国期の忍者についても最近の研究を踏まえている。
図録「弓の民俗」は、「古式弓道まつり」に合わせて作成されたもので埼玉県内の弓を使う行事・儀式や魔除け、芸能、伝説などを紹介している。弓の奉納額や弓道奉納についても出ている。なお、武術史については触れていない。