三井記念美術館「茶の湯の美学 ―利休・織部・遠州の茶道具―」

https://www.mitsui-museum.jp/exhibition/images/240418/catalog240418.pdf

三井記念美術館の「茶の湯の美学 ―利休・織部遠州の茶道具―」へ。
当初予定ではここに行く予定は無かったのだが、縁あって行くことになった。
今年はどういうわけか光悦、有楽斎、そしてこの展覧会と、茶器に関連した展覧会に行く機会がある。

茶の湯の美学」展は三井家所蔵の千利休古田織部小堀遠州が作らせた茶器など茶道具や関連する品々を展示している。
まとめて並べる事で3人の美意識の違いや変化が分かりやすくなっている。
特に茶碗と花入に三者三様のスタイルが分かりやすいが、古田織部は田織部筆消息 (初雪発句入 修理宛) では字まではずむようで特徴的だった。
三井記念美術館では通常は撮影できないのだが今回は珍しいことに利休関係の展示を行っている展示室4の「千利休の美意識=「わび・さびの美」」は撮影可能だった。
利休の展示は手紙も多く、当時の茶人のやり取りがどういうものだったのか伺える内容で面白い。
ここで《聚楽第図》を見る事ができたのも収穫の一つだ。
古田織部については漫画『へうげもの』への言及があり、『宗湛日記』の「セト茶碗ヒツミ候也。ヘウケモノ也」もあり、あの漫画の影響力が完結して7年を経てもまだ生きていることを感じた。
小堀遠州はトータルバランスというか、全体像としてのスタイルが整理されている印象がある。《竹茶杓 銘虫喰 共筒》は名古屋の徳川美術館にも同様の虫食いの茶杓(伝千利休作の《竹茶杓 銘虫喰》)があるが、あれともまた違った形で面白い。