東京国立博物館「神護寺―空海と真言密教のはじまり」

東京国立博物館 - 展示・催し物 展示 平成館(日本の考古・特別展) 創建1200年記念特別展「神護寺―空海と真言密教のはじまり」

上野の東京国立博物館神護寺空海真言密教のはじまり」に行ってきた。
和気氏の寺院、空海真言密教の寺としての神護寺、そして文覚による復興とその後の歴史という複数の面を見ることができる特別展だ。
1番の目玉は修復された高尾曼荼羅で修復や解説の映像と合わせて観ると壮大だ。
他にも仏像、仏画、仏具、経典といった仏教関係の品以外に伝頼朝像をはじめとする絵画や工芸品など色々あって見応えがある。
大きい展示品が多いが、『風信帖』をはじめ文字史料のところは混みやすい。
それで思い出したが、空海による結縁灌頂の記録である「灌頂歴名」に最澄の名前があることを示すなら泰範の名前にも説明つけといたほうが良かったように思う。
展覧会では「空海最澄の交流」なんてぼかした表現だったが、最澄が一時空海密教の教えや経典のソースとしていたことから後に弟子の泰範が最澄の元に還ってこなかったこと、その後の決裂に到るやり取りの一端なわけで、展示解説だけではその点分かりにくい。

常設展示にも色々あったが、武具では鎧を脱いだような造形の甲冑と頭髪のように見える毛がある兜の《肩脱二枚胴具足》があった。

《直槍 濃州兼久》は所持していた服部半蔵正就(三代目の服部半蔵)の切付銘がある平三角の槍だ。

また、撮影はできない展示だったが南北朝期の大太刀である《太刀 銘 力王》が拵と合わせて展示されていた。