五右衛門〜戦国忍法秘録〜(コミック乱TWINS 2006年8月号)

 二話で早くも新しい伏線が。尋常ではなく頑丈な主人公も実に石川賢らしい。
 それにしても気になるのは史実との都合をどうつけるのかという点だ。ネタバレになるので[続きを読む]以降に気になった点を書く。
・忍法天下取り
 これを読んで真っ先に思い出したのは『虚無戦記』。九龍一族の大殿は、一族の徳川家康が天下を取ったことを同じ言葉で表現した。多分関連はないと思うが。二巻の巻物は、そして刻読みはどのように機能するのか。そして誰か特定の人物の元に集まるのか。史実で天下をとった人物が手にするのだろうか。
織田信長
 史実通りだと途中で死ぬはずだが、こうした伝奇物ではオーソドックスな経緯で死ぬとは限らない。命を狙う五右衛門が殺すのか、豊臣秀吉の陰謀が働くのか、明智光秀はどう動くのか。
豊臣秀吉
 二話で早くも明かされた伊賀の裏切り者。石川五右衛門を巡る記録・フィクションでは五右衛門を処刑した為政者は秀吉ということになっている。その通りになるかどうかは甚だ怪しいが、今後五右衛門の敵として重要な役割を果たすのは間違いないだろう。
服部半蔵
 史実ならとうに徳川家康に仕えているはずだが、なぜか伊賀にいる。最終的には徳川家康に接近すると思われるが、今のところ信長の首を狙うようだ。今月号の扱いを見るに、適度に頼りになる驚き役(武蔵伝の武蔵義経のように)だと思う。