昨日に続いて今日も珍しい過去のナイフを紹介しよう。珍しいだけで欲しがる人が限られている点も昨日と同じ。
ガンティング/グンティン(Gunting)というナイフ格闘の技術がある。これは通常は両手で挟むようにする技術だ。
それとは別にナイフのハンドガードやハンドルエンドに突起(プレッシャー・ポイント)を設け、それを使って相手を制圧するものがある。この技法のためには専用のナイフが必要で、スパイダルコ社からフォールディングナイフのガンティング、オンタリオ・ナイフ社からフィクストナイフのガンティングナイフであるアバニコが出ている。こうした製品の存在のため、ガンティングは日本でも少しは知られている。
オンタリオのアバニコ(Abanico)にはオリジナルのカスタムモデルがある。今回紹介するのはそのオリジナル・アバニコだ。
このナイフはRob NewtonとFrank Olesenによって作られた。この二人はLaci Szaboのナイフのメーカーとしても知られている。かつていくつかのカスタムモデルのガンティングが作られているが、中でもこのアバニコは後の量産を考慮されてデザインされたものだ。
鋼材は炭素鋼の5160。フラットグラインドでブルーイングされている。ハンドルはキャンバス・マイカルタ。かつてはブルーイングの臭いが強く、困ったものだが何年も経つうちに収まった。シースはカイデックスで、ベルトループもカイデックス製。ループの幅がありすぎて装着するとかなり邪魔だ。
バランスは独特で、ハンドル上部に重心が寄っている。ブレード形状は普通だが、全体としてかなり特異なナイフとなっている。