銃オタが非オタの彼女に銃世界を軽く紹介するための10挺

まあ、どのくらいの数の銃オタがそういう彼女をゲットできるかは別にして、
「オタではまったくないんだが、しかし自分のオタ趣味を肯定的に黙認してくれて、
 その上で全く知らない銃の世界とはなんなのか、ちょっとだけ好奇心持ってる」
ような、ヲタの都合のいい妄想の中に出てきそうな彼女に、銃のことを紹介するために
教えるべき10挺を選んでみたいのだけれど。
(要は「脱オタクファッションガイド」の正反対版だな。彼女に銃を布教するのではなく
 相互のコミュニケーションの入口として)
あくまで「入口」なので、理解に過大な負担を伴うアンダーグラウンドウェポン、カスタムメイドの銃は避けたい。
できれば現行の量産品、少なくても生産終了した量産品にとどめたい。
あと、いくら銃的に基礎といっても古びを感じすぎるものは避けたい。
映画好きが『カリガリ博士』は外せないと言っても、それはちょっとさすがになあ、と思う。
そういう感じ。
彼女の設定は

銃知識はいわゆる「テレビまんが」的なものを除けば、アクション映画・ドラマ程度は見ている
サブカル度も低いが、頭はけっこう良い

という条件で。
まずは俺的に。出した順番は実質的には意味がない。

Glock 17 (オーストリア

まあ、いきなりここかよとも思うけれど、「グロック以前」を濃縮しきっていて、「グロック以後」を決定づけたという点では
外せないんだよなあ。口径も9ミリだし。
ただ、ここでオタトーク全開にしてしまうと、彼女との関係が崩れるかも。
この情報過多な製品について、どれだけさらりと、嫌味にならず濃すぎず、それでいて必要最小限の情報を彼女に
伝えられるかということは、オタ側の「真のコミュニケーション能力」の試験としてはいいタスクだろうと思う。

M16 (アメリカ) / AK47 (旧ソ連)

アレって典型的な「オタクが考える一般人に認知されてそうな銃(そうオタクが思い込んでいるだけ。実際は全然知られていない)」そのもの
という意見には半分賛成・半分反対なのだけれど、それを彼女にぶつけて確かめてみるには
一番よさそうな素材なんじゃないのかな。
「銃オタとしてはこの二つは“ゴルゴ13を知る”ためにいいと思うんだけど、率直に言ってどう?」って。

Cz 75(チェコ

ある種の軍用銃オタが持ってる最強拳銃への憧憬と、チェコ製造というオタ的なマニアックさへのこだわりを
彼女に紹介するという意味ではいいなと思うのと、それに加えていかにもイチロー・ナガタ的な
「童貞的なださカッコよさ」を体現するコンバットマガジンの記事
「それをそのまま使った童貞的に好みな描写」のガンスミスキャッツ
の二点をはじめとして、オタ好きのするダメ要素を周辺にちりばめているのが、紹介してみたい理由。

Walther P38 (ドイツ)

たぶんこれを見た彼女は「ルパンIII世だよね」と言ってくれるかもしれないが、そこが狙いといえば狙い。
この系譜の銃がその後続いていること、これがベレッタに受け継がれていること、
日本ならガスガンになって、それが世界に輸出されてもおかしくはなさそうなのに、
欧米でこういうのがつくられないこと、なんかを非オタ彼女と話してみたいかな、という妄想的願望。

Smith & Wesson M29 (アメリカ)

「やっぱりマグナムは大口径オタのためのものだよね」という話になったときに、そこで選ぶのは「デザートイーグル
でもいいのだけれど、そこでこっちを選んだのは、この銃にかけるクリント・イーストウッドの台詞が好きだから。
断腸の思いで削りに削ってそれでも6.5インチ、っていうバレルの長さが、どうしても俺の心をつかんでしまうのは、
その「扱いやすさと大きさのバランス」ということへの諦めきれなさがいかにもオタ的だなあと思えてしまうから。
M29の長さを俺自身は冗長とは思わないし、もうフルラグ銃身はないだろうとは思うけれど、一方でこれが
コルトや後の時代だったらきっちり6インチにしてしまうだろうとも思う。
なのに、一時期のモデルだけ6.5インチのバレルにしてしまう、というあたり、どうしても
「一時期だけ製造されたものが好きオタク」としては、たとえクリント・イーストウッドがそういうキャラでなかったとしても、
親近感を禁じ得ない。銃自体の高評価と合わせて、そんなことを彼女に話してみたい。

SIG P210 (スイス)

今の若年層でP210見たことのある人はそんなにいないと思うのだけれど、だから紹介してみたい。
P220よりも前の段階で、軍用拳銃の哲学とか高品質とかはこの作品で頂点に達していたとも言えて、
こういうクオリティの銃が量産品でこの時代に作られていたんだよ、というのは、
別に俺自身がなんらそこに貢献してなくとも、なんとなく銃好きとしては不思議に誇らしいし、
ジャック・バウアーの銃でしかSIGを知らない彼女には見せてあげたいなと思う。

Colt M1911A1アメリカ)

ブローニングの「着想」あるいは「ものづくり」をオタとして教えたい、というお節介焼きから見せる、ということではなくて。
「終わらないカスタマイズで現代も生き続ける」的な感覚がオタには共通してあるのかなということを感じていて、
だからこそウェスタンアームズのガスガンは1911カスタムばかりなのだとも思う。
「既存の銃の終わらないカスタマイズ」というオタの感覚が今日さらに強まっているとするなら、その「オタクの気分」の
源は1911にあったんじゃないか、という、そんな理屈はかけらも口にせずに、
単純に楽しんでもらえるかどうかを見てみたい。

南部十四年式 (日本)

これは地雷だよなあ。地雷が火を噴くか否か、そこのスリルを味わってみたいなあ。
こういう大日本帝国風味の銃をこういうかたちで量産化して、それが非オタに受け入れられるか
気持ち悪さを誘発するか、というのを見てみたい。

Heckler & Koch Mk23 SOCOM Pistol (ドイツ)

9挺まではあっさり決まったんだけど10挺目は空白でもいいかな、などと思いつつ、便宜的にソーコムを選んだ。
グロックから始まってソーコムで終わるのもそれなりに収まりはいいだろうし、レーザーサイト以降のアクセサリー時代の先駆けと
なった銃でもあるし、紹介する価値はあるのだろうけど、もっと他にいい銃がありそうな気もする。
というわけで、俺のこういう意図にそって、もっといい10挺目はこんなのどうよ、というのがあったら
教えてください。


「駄目だこのGun誌読者は。俺がちゃんとしたリストを作ってやる」というのは大歓迎。
こういう試みそのものに関する意見も聞けたら嬉しい。


「アニオタが非オタの彼女にアニメ世界を軽く紹介するための10本」が味わい深い - ARTIFACT@ハテナ系経由で知った
http://anond.hatelabo.jp/20080721222220
改変してやってみた。朝から何やってるんだ俺は。
もともと「ルパンIII世だよね」だけで思いついたのでかなり嘘が入っている。
真似すると分かるけど確かに味わい深いわな。
真似るポイントは一つの文に複数の感情や意志を入れるようにすること。
そして何より「紹介」と言いつつも「語りたい」に重点を置くこと。
そうするとオリジナルのように意味不明なところがあって痛い文章になる。