駒沢大学が154億円の損失―金融危機で資産運用失敗/教育ニュース - 教育情報サイトeduon!
わりと大きな扱いのニュースだったので知っている人も多いだろう。
実は、駒澤以外にも損をしている大学はある(当たり前だが)。駒澤ほど額が大きくなかったせいかニュースにもなっていないが、そのうち週刊誌なんかで記事になるかもしれない。
もともと日本の大学はアメリカよりも資産運用、特にデリバティブなどの投資に力を入れてないからもっと投資をやるべきだ、という主張がよく見られた。
そのため国立大学が元本保証のない株取引が出来るように改正案に盛り込むことも報道された。
http://nezimakinezumi.blog101.fc2.com/blog-entry-872.html
関連して、21世紀大学経営協会で公開されているレポートを見ると状況が分かりやすい。
21世紀大学経営協会:U-MA21 Opinions & Reports
アメリカのように寄付金で基金を作り、その資産運用でこの大学経営難の時代を乗り切ろう、みたいな流れがあることが分かると思う。これは証券会社・文科省・一部の大学関係者の間で2000年代にかなり熱心に主張があり、体制作りにまで影響していったと記憶している。
今年一月にはこのような報道もあった。
大学、資産運用を積極化・日経調査
こうした投資の活発化は、「経営難だからしょうがない」「資金が眠っているのはもったいない」「アメリカの大学ではこんなに儲かっている」といった論調で日本の大学関係者に受け入れられていたと記憶している。
そして「大学 資産運用」なんかでぐぐれば過去の事例や意見は分かると思うが、リスクに言及はしていてもリスクの検討は熱心になされてない。得をした場合の話ばかりだったのだ。で、その結果えらい目にあっている大学が出ているのが現在の状況。
私が知っている大学の事例では、大学の理事やら事務やらが教授会に何の話もせずにこの種の取引をやっていて(それが普通)、一億や二億ではとても済まないようなレベルの損をしてから初めて報告があった。学内に投資の知識のある教員がいようと、そんな人に意見を聞くことはしていない。投資の知識や経験がない職員一人が全てを決定していたという話だった。他もこんな感じかもしれない。
多分他の損をしている(あるいこれから損する)大学の情報も今後出てくることだろう。
(2008-11-20追記)
教育界に金融危機の余波、駒沢大が資産運用で損失―慶応、早稲田(3)
他大学の資産運用についてもこちらには書かれていた。