岡崎市中央図書館Webサイトの事件で思い出したとある事件

Librahack : 容疑者から見た岡崎図書館事件
図書館Webサイトへのクローラを実行して逮捕された男性、不起訴に | スラド セキュリティ
岡崎市中央図書館に1秒間に1回アクセスしたら逮捕されたけど不起訴になった件について - Togetter
 岡崎市立中央図書館のWebサイトから新着図書データを自動で取得するプログラムを実行し、同サイトの一部機能が利用できない状態になった事件があった。
 この一件で逮捕者まで出てしまった経緯が上記の各記事で説明されている。


 公共図書館用に限った話ではないが、図書館システムは無駄に負担がかかったり練られていないものがあったりして、何度か困った目にあったことがある。
 そして図書館用システムに問題点があることは図書館の世界でも図書館員やシステム会社以外にはほとんど知られていない。
 簡単に言い直すと「図書館システムは一般のWebサイトやデータベースよりも脆弱で負荷に弱いものがあるが、そのことが知られていない」ということだ。
 それも今回のような事件の背景の一つではないかと思う。
 それ以前に利用者情報を保護する図書館の自由という問題について、どこまでこの件で守られたかも重大な問題だが、とりあえずそれは措く。


 それと少し関連するが、学術論文データベースで似たような事件があったのを思い出した。
 ある組織で利用者がプログラムを使って同時に多数の論文データをダウンロードし、それがデータベースのベンダーから問題視されたことがあった。
 (論文の全文データなので岡崎の例より負荷は大きかったはずで、その点は大きな違いと言える)。
 その結果、その組織でのデータベースは一定期間利用停止となり、罰金を払う羽目になった。
 そうした対応は契約にも何もなかったのにも関わらず、である。
 この場合契約していた組織が全面的に折れ、経緯が経緯なので表沙汰にもならなかった。
 この学術論文データベースの事件も裁判にでもなったらどういう結果になっていただろうか。
 事情が事情なので検証も詳しい経緯も公開されないだろうが、図書館の世界ではまだ語られていない類似の事例が他にもあるかもしれない。