たまに図書館関係者の文章でパワハラ司書を連想してしまう

結構前のことだが、ある図書館関係者の書いた文章を読んでいて妙に腹が立ったことがある。内容に間違いはないし、不快な表現が使われているわけでもない。ではどこに引っかかったか。後で思い返すと、どうもその人の書いている内容に自分が知っているパワハラ司書の仕事ぶりと被る要素があって、不快感につながったようだ。単なる連想のようなものだが、過去の嫌な仕事を思い出すのはどうしようもない。
私は図書館委託会社での経験が長く、数多くの図書館で働いてきた。図書館委託のうち、部分委託という形式だと直接雇用の図書館司書と委託会社の司書とが入り混じって仕事をすることになる。委託というのは業務請負で、就業場所や仕事内容、指揮命令関係は発注者と分かれていなければならないのだが、図書館業界(特に大学図書館)はこの点あまり厳格ではない。直接雇用の正規・臨時の図書館司書が請負の司書に直接業務指示を出していることが多々ある(これはパワハラ以前の問題)。そしてこの直接雇用司書-委託司書の関係は対等ではなく、直接雇用司書の能力・人格によってはパワハラが発生する。以前も書いたが、図書館界でかなり知られた人でもこれをやらかしている例がある。
以下、どういうタイプに引っかかりを感じるか、書いてみよう。

一体感を求める

委託の司書にも強い帰属意識や直接雇用の司書との一体感を求める人がいる。
だが、そういう人は往々にして報酬以上の気配り、感情労働を求めているだけであり、自主的に自分の思い通りに働く人間を求めている。「社員は家族」というブラック企業のようなものである。
この種の人は、一体感のために労働関係の法律に従わない場合さえある。そもそも委託請負の人間に指揮命令を出してはいけないのだが、これを守らない。この手の司書は自分の仕事の理想を守るためなら法律は2の次である。
知らない人は下のガイドを読むように。
労働者派遣・請負を適正に行うためのガイド - 厚生労働省
このタイプの人は時に委託司書に強要的になる。

他人の仕事のチェックに力を注ぐ

「自分が見ていないと業務の質が低下する」を名目に委託の仕事のチェックに時間をかける人がいる。この種の監視好きの下で仕事が順調に進むことはなく、人が育つことも少ない。このタイプの人は、チェックする能力自体も怪しく、気分屋の場合特に事態を悪化させる。また、自分の業務の問題点には目を向けない。細かな部分でも自分の思い通りに委託司書が動かないと怒り出し、恐怖を感じさせることで自分の思考に近い行動を自主的に取るように仕向ける。しかしそんな都合のいい展開になるということはなく、辞めていく人が多い。結果として業務の停滞や質の低下、委託司書の短期間での辞職につながる。

過去の経験や伝聞を持ち出す

「こうするのが常識」「〜図書館ではこうしていた」と、他の図書館の例を業務を持ち出す人がいる。ちゃんとした根拠や応用するための手立てがあればいいのだが、実際にはその館に合わない方法で、負担を増やしていることが多々ある。こうした人は、名のある図書館の権威や過去の経験をひけらかしつつ自分の思うように仕事をしたいだけのことが多い。ひどい場合にはその知識が間違っていることさえある。これだと単に迷惑な人だが、私の知る範囲ではこの傾向が強い人は権威主義的で委託司書に攻撃的である。
ネット上で名のある図書館の業務について間違った内容を紹介し、自説の根拠にしている人を見ると、このパターンを思い出す。