ロシア武術の練習用具スクラッチ・スティック

一部のロシア武術の練習器具の一つにスクラッチ・スティックがある。
片手で握れる短い木の棒の両端に釘を打ち、突き出た釘の頭で引っ掻けるようにしたものだ。
釘の頭で引っ掻く攻撃を流す練習で用いられ、ナイフの攻防につながる繊細な感覚を養う。
その形状と練習方式から怪我をしやすい。
トローパ(ロシア武術・トローパ・トロヤノヴァ - 火薬と鋼)やシステマ関連の一部団体で使われている。
以前、作り方を載せている海外のシステマ練習者のブログがあったのだが、非公開になってしまった→別の人の記事があったhttp://www.stevewildash.com/2009/02/knife-work-continued-working-beyond.html

余談。
武術の練習方式について、「自分が考える状況再現に近くない練習は価値がない」という判断をする人がネットにいる。戦闘のシミュレーション(その人の考える「リアルな」)としての練習でなければならないという意見だ。そういう批評をしている人の意見を突き止めると、実際の戦闘そのままの状況での練習か、スパーリング重視かのどちらかに分かれる。
例えばナイフの練習で言えば本物のナイフを使うか、あるいは逆にラバーナイフと防具ありでのフルスピード・フルコンタクトの練習でなければ意味がないといったような主張をする人がいる。
ネット批評家はそういう方向性があらゆる武術・あらゆる練習で最適なのかどうか、あまり考えていなさそうである。