腕十字の有利・不利

昨年書いた総合格闘技で腕十字は決め手になりにくくなったか? - 火薬と鋼に関連するメモを書いておく。
腕十字(腕挫十字固、十字固)が使われにくい理由の一つに有利な体勢からその有利を失う体勢になりやすいことがある。
藤原喜明氏のDVD『Submission Master』にその説明があったので引用しておく。
このDVDは元々日本向けに作られた映像を編集した2枚のDVDと海外のセミナーの映像のDVD1枚で構成されたもので、ディスク3枚のうち2枚は言語も文字解説も日本語のまま販売されているものだ。レビューを見ると海外での評価は高い。
予告と一部の内容はYouTubeにもある。


該当部分の動画はないので、文字に書き起こしておく。
発言は全て藤原氏による。

「どうして十字固めにいかないかということですね」
「十字固めにいくということはですね。この全体的に―大体そうですね9:1くらいで有利な状態からですね」
(寝ている相手に対してサイドポジション)
「十字固め、ちょっと行きますね」
(サイドポジションから十字に移行する)
「こういう状態ですね。えーと6:4か。大体6:4くらいだと思うんですね」
「どうしてかと言うと―はい、起き上がってきて」
(十字を極める途中で受け手に起き上がってもらい、上になってもらう)
「はい、起き上がられますと(相手を指して)9:1になってしまいますね」
「だからその―(最初のサイドポジションに戻る)―自分が有利な状態の時はですね」
「十字固めにいったりアキレス腱固めにいかないんですね」

映像がないとちょっと分かりにくいかもしれない。
DVDではその後アキレス腱固めのリスクや確実性の高い腕十字の方法についての解説とデモンストレーションを行っている。