昨日のシステマの練習から互いのナイフを利用できる状態の練習について

昨日、久しぶりにシステマ多摩に伺った際の練習の一つに次のようなものがあった。

この時、当の私はどのようにやっていたかというのが今日のむさしのの練習と少し関連するのでちょっと書いてみる。
まず、リラックスして自分と相手を含めた周囲全体をよく感じていることが重要になる。
感じるのはいいが、この練習で相手の動きを待ってそれに対処して動くと後手に回ってやられてしまう。
自分が主導権を握るには、受動的にならないようにする必要がある。相手を感じるということは相手の動きを待つことではない。
そして経験にもよるが、相手はナイフを取ろうとする際にその動作や周囲に関する意識、感覚を常に一定に維持しているわけではない。
最初の動作のスイッチになる時だけ意識がはっきりしていて、後は意識を放り投げ、ほとんど自動的な動きに任せている。
普段平地を歩くときに脚部の各部位の動きを意識しながら動かしていないのと同じようなものである。
「ナイフをとりにいったつもり」という最初の動作を決めた時の予測に従っており、実世界の情報をリアルタイムでフィードバックしていないのである。
この意識の間隙は大きく、この状態にいる相手に対してこちらは気付かれない内に自分のナイフも相手のナイフも抜くことができる。
同様に、相手に思考や迷いがある場合もその時間にこちらはナイフを抜くことができる。これは意識を放り投げる以前の段階で全てこちらが先んじて終わらせることができる。
自分の意識、感覚を放り投げずに常に一定に保つと、こうしたことができるようになる。
ナイフを抜けるタイミングや相手の隙を認識してからそこを突こうと考えて動くのではなく、全体を感じることが同時に動きを生み出すような感覚である。
ただし、私は未熟なため、相手の経験や互いの位置関係によって理想的な対応にならないこともある。
最初の動きがうまくいく場合・行かない場合のどちらでも、ナイフをいかに動かすかが成否を分ける。
ナイフの先端まで意識し、相手をよく把握して突くことができれば最短で突ける。
仮に相手がナイフを先にとっても、この最短の動きの感覚を得ていれば相手の動きを制することもできる。実際の練習ではノリでやっているので、後から色々考えることにしている。