「古武術」のイメージとしての素手格闘


古武術」が素手の武術を指す言葉として使われ、しばしば剣術が無視されているという例が話題になっている。まとめサイトの話題で同様の例が過去もあった。
これについて以前、友人と似たような話になったので、そこで喋った内容を思い出しつつ書いておく。あまり整理された内容ではない。

  • 古武術の話題で素手の武術を想定した話ばかり見るのは、現在の格闘技の練習者やマニアの興味関心が素手の試合を中心としたものであること、そして格闘技を題材とした漫画や小説、ゲームに登場する古武術素手の格闘技であることも関係していると思われる。
  • 剣術や他の武器術に対する興味関心の薄さといったものもある。
    • だからと言って柔術のイメージがしっかりしているとは限らない。
  • 恐らく多くの人がイメージする古武術は、現実:合気道 創作:陸奥圓明流であり、この両者の間を行ったり来たりしている。
    • 合気道の成立は近代だがここで古武術の定義問題は気にしてはいけない。
    • 実際には他の実在・架空の武術イメージも含まれており、あまり厳密ではないと思う。
    • 中国武術イメージが混じっていることもある。
      • 例えば創作の世界の古武術の技術として発勁がよく使われる。
  • あと少し話が変わるが、古武術を参考にしたとされるスポーツ指導や介護技術といったものが知られるようになったため、身体操作技法に偏って認識されていることはある。
  • 柔術の流派の名前を挙げろと言われて具体的な名称を出せる人は限られるのではないだろうか。これも漠然とした古武術イメージにまとめられて認識されていることとつながっていると思われる。