漫画の中のロシア武術システマ 第5回『外見至上主義』

今回紹介するのはT. Jun(パク・テジュン)による韓国のWebコミック『外見至上主義』(原題:외모지상주의)だ。
2014年11月連載開始で現在も連載中。日本語版もWebで公開されている→外見至上主義, List1 | XOY
この日本版は日本を舞台とした話にアレンジされており、人物名も日本人名がつけなおされている。
なお、縦に長いWebコミックの画像をどう切り出していいのかさんざん迷ったがうまくいかないので今回画像は出していない。

『外見至上主義』の話の流れ

いじめられっ子の主人公・長谷川蛍介はある日目覚めると長身のイケメンに変身していた。
しかし夜になると元の低身長・不細工な容姿に戻ってしまう。
主人公はこの二つの姿で二重生活を送ることになる。
いわゆる格闘漫画ではないが、ストーリー上喧嘩・いじめ・犯罪との対峙が含まれており、格闘技が登場する場面が複数存在する。

四宮紅輝とシステマ

作中でシステマを使うのは脇役の四宮紅輝(しのみや・こうき)というキャラクターだ。
前髪で常に眼が隠れており、全くと言っていいほどしゃべらないが主人公・蛍介とはコミュニケーションがとれている。
謎めいたところがあり、家は金持ちであることが伺える。蛍介に対して極めて親切で、フォローを良くしている。
作中で彼が戦うのももっぱら蛍介が絡んだ問題の時である。
ステマが特に登場するのは049の巨漢のブラジリアン柔術使いと戦う場面だ。
http://xoy.webtoons.com/ja/fantasy/lookism/049/viewer?title_no=820&episode_no=50
ここで四宮は組み合わずに打撃で対処するが、敵の策に乗る羽目になって組み合い、追い詰められてしまう。
ステマの戦い方として特にそれらしい描写は少ない。
敵はシステマに気づいて「映画オタクか?」「それか戦闘マニア?」と言っているが、これは韓国のシステマのイメージの反映かもしれない。
特に映画との関連については、2013年の韓国映画『サスペクト 哀しき容疑者』で俳優コン・ユがシステマを学んだことが報じられて話題になったからだ。
もっともあの映画にはシステマらしいアクションは出てこないのだが…。
それはともかく格闘技漫画の読者層とは違った読者がかなりいる漫画であり、ネットでの反応を見るとこの漫画からシステマを知ったという読者もいる。