「小説家になろう」の古武術事情について - 火薬と鋼のついでに「小説家になろう」の格闘技・武道・武術の扱いについて書いておく。
一応以前の集計結果や自分が読んだものを参考にしているが定量的な情報ではない。
- メジャーな武道・格闘技について
- 剣道、柔道、空手、ボクシングなどメジャーな武道・格闘技は、しばしば部活動としてまたは地域の道場・ジムに通うパターンで登場する。
- 全国大会優勝など、過去の業績で強さを示されることが多い。
- 部内の上下関係・学内の扱いなどスクールカーストのような人間関係が設定されていることがある。
- 主人公が剣術使いの場合、剣道を兼ねてやっていたり、逆に剣道になじめなかったりと対比されることがある。
- 主人公の敵役やヒロイン役として、こうしたメジャーな武道・格闘技経験者が設定されることもある。
- 単に説明上登場することも多い(「ボクシングのような構え」など比喩にも使われるため)。
- 相撲はこのパターンでの使用例が多い。
- 剣道、柔道、空手、ボクシングなどメジャーな武道・格闘技は、しばしば部活動としてまたは地域の道場・ジムに通うパターンで登場する。
- 剣術流派について
- 実在の剣術流派が登場することは少なく、異世界やVRMMOを舞台とした話では流派名も出てこないことが多い。
- 剣術はスキルとして取得するか、あるいは訓練施設や学校で学ぶパターンが多く、多くの場合西洋の剣を使う想定である。
- 日本刀人気はあるので西洋風の世界観でも日本刀または日本刀を真似た刀が使われるパターンはある。
- 日本剣術が想定されている話は多くはない。
- 西洋っぽい世界観で剣術流派名は日本風漢字表記という作品も複数ある。
- 日本剣術の場合、血縁・地縁でつながりのある道場で学んでいることが多い。
- どのパターンでも剣術と特殊能力を組み合わせるなど、作品の世界観に合わせた特殊な技術が登場する話が多いが、たまに現実の剣術を参考にしている話もある。
- 中国武術について
- 中国武術の登場作品は少ない。
- ただし、中国武術の技術・術語が独立して登場することがある。
- 特に多い例としてはネット小説の発勁と震脚について - 火薬と鋼参照。
- 剣術・古武術と違って架空の門派が登場する話は極めて少ない。
- 現実の日本で人気のある門派以外はまず登場しない。
- 地域性・民族性が強い武術・格闘技について
- 架空流派について
- 剣術、古武術として架空の流派がよく登場するほか、複数の武術を組み合わせたという設定も多く登場する。
- システマも登場する『異世界支配のスキルテイカー ゼロから始める奴隷ハーレム』の近衛流體術は後者の典型的な例。
- 流派そのものが特別で突出した強さにつながることが多い(格闘漫画の陸奥圓明流とか灘神影流をイメージしてもらうと分かりやすい)
- 流派名や技名のネーミングが独特である。
- 個人的にインパクトが強かった剣術架空流派名は『異世界魔法は遅れてる!』に登場した「俱利伽羅陀羅尼幻影剣」。
- 家伝であるなどごく少数の特別な人間しか学べないことが多い。
- 部活動の武道・格闘技と違ってスクールカーストは出てこないが、指導者の指導が異常に厳しい・主人公が流派の強さに合わせて尊大であるのは架空流派のほうでよく見る。
- メジャーな武道・格闘技とは違って殺人の技術を使えることが強調される。
- 超能力、魔法、オカルト、特殊能力などに関係する技術を持っていることがある。
- 複数の武術を組み合わせた架空流派は、数の多さを活用できていない話が多く、扱いが難しい。
- 剣術、古武術として架空の流派がよく登場するほか、複数の武術を組み合わせたという設定も多く登場する。