テニスの王子様はシグルイなり

 これは尋常のテニスではない 読めぬ…試合が全く………


 今更だが、「テニスの王子様」のようなあふれんばかりの狂気に満ちた作品が商業的に成功しているということに戦慄を禁じえない。毎号のジャンプ掲載のテニスの王子様を読むたびに許斐先生の鬼才っぷりに驚かされるが、今週も驚いた。ダブルスの試合なのに、特殊能力の発動に邪魔だからそれぞれ片方の選手がコートから退いてシングルスの試合になってしまったのだ。こんな展開を予想できる人間はいないだろう。それに河村の重傷ぶりを見ていると、今後どんな非常事態が起こっても不思議はない。

出場者十一組二十二名
敗北による死者八名
相討ちによる死者六名
射殺二名
生還六名 中二名重症

みたいな展開もありえるわけだ。しかし地上最自由・許斐先生の発想は常人のそれとは隔絶しているので、たかが死傷者が出る程度の内容に納まるはずがない。つくづく先の読めない漫画だ。