ゲッターロボアーク

ゲッターロボアーク 1 (双葉文庫 い 31-15 名作シリーズ)

ゲッターロボアーク 1 (双葉文庫 い 31-15 名作シリーズ)

ゲッターロボアーク 2 (双葉文庫 い 31-16 名作シリーズ)

ゲッターロボアーク 2 (双葉文庫 い 31-16 名作シリーズ)

 石川賢ゲッターロボ・サーガの最後をしめくくるゲッターロボアークの文庫版が発売された。最も相変わらずちゃんと完結してはいない。
 「ゲッターロボアーク」のいくつかの基本要素は「真ゲッターロボ」と同じだ(何より敵の目的が同じ)。そして謎はむしろ真よりも増えている。謎をリストアップしようと思ったがネタバレになるし数があまりに多いので止めた。この謎の多さでは、石川賢が存命していても、恐らくゲッターの物語は終わらなかっただろう(その点は虚無戦記とよく似ている)。今回の主人公の流拓馬は状況に振り回されてばかりで、あまり主体的に動いていない。また、アーク、キリク、カーンの各形態があまり使いこなされていない(まあ、真ゲッターもあまり変形はしなかった)。
 そんなわけで漫画としての完成度には問題がある本作だが(それが分からない読者はそもそもいないかも)、石川賢的な戦闘(やたら巨大な敵、侵食する敵、バイオレンスな攻撃スタイルなど)や投げっぱなしのラストは楽しめる。