ソマリア海賊狩りツアーはデマか

 http://rocketnews24.com/?p=11485について。
 このニュースについて、Mitaryphotos.netで先に見ていて、嘘ニュースだろうという流れになったのを知っていたのだが、真に受けている人がいるのは驚いた。
 はてなブックマーク - ロシアで海賊を “合法的に死傷させる” ツアーが問題に – ロケットニュース24(β)を見ても信じている人がいる。
 さすがに疑う人もそれなりにいてロシアの海賊死傷ツアーって本当? - migimigiのブログというエントリもある。
 一部migimigiさんと被るが、ちょっと経緯を解説する。


 この嘘ニュースの起源は、嘘サイトSomali Cruises - Cruise along Africa's east coast!に遡る。
 これを紹介・引用・盗用したニュースがまずジョークとして広まった。
 2009年5月7日のhttp://www.tothepointnews.com/content/view/3617/85/が代表的な例で、ジョークニュース、嘘ニュースとして扱われた。
 なお、この時点で金額などに変化が見られ、その後のニュースでもTop the Point Newsの数字が使われている。
 内容をパクったPOLICE Magazine - Law Enforcement News, Articles, Videos, Careers & Podcastsもその一例。
 5〜6月にかけてフォーラムやブログ、Webコミュでこうした情報が紹介された。


 そして2009年6月22日、この話題について、オーストリア紙のWirtschaftsblattの記事(http://www.wirtschaftsblatt.at/home/lifeandstyle/timeout/379211/index.do?_vl_pos=r.3.MOST)が書かれた。

 この記事の

Comment of the editors: Goldman Morgenstern & Partners tells us, that "they believe", this story is "satire".

 という部分は、恐らくほとんどの人に読まれなかったのではないだろうか。


 その後Wirtschaftsblatt紙の記事を元に書かれたニュースサイトAnanovaの記事(CPWebHosting introduces the tools for marketing - Ananova)が掲載され、急速に広まった。
 私が見たhttp://www.militaryphotos.net/forums/showthread.php?t=159740での紹介は25日で、この時点でニュースは世界を巡っていた。
 現在ではこの話題を扱ったブログやフォーラムでもデマだとするコメントが入っていることが多いが、最初のニュースのほうがインパクトがあるからか、まだ広まっている。
 非英語圏での情報を追いきれていないのでかなり飛ばしているが、こんな感じだ。
 それぞれの記事を見ると、どの時点で記述が変化・増加したかを追うことができる。
(追記)
 ロシア人のソマリア海賊死傷ツアーは本当なのか? - はてな読みでもこのニュースの伝播について追っている。
 情報の流れと変化はそちらのほうがわかりやすい。

(2009-6-30追記)
 補足としてなぜソマリア海賊狩りツアーを疑ったか - 火薬と鋼を書いた。