食べられる植物の見分け方とその危険性

http://alfalfalfa.com/archives/393937.htmlアメリカ陸軍のサバイバルマニュアルの「外地でのサバイバルで、未知の動植物を食べられるかどうか判定する方法」が紹介されていた。
しかし食用であるかどうかを判断するテストとして軍のマニュアルに載っているものは、もっと込み入ったものだ。
この判定法は"Universal Edibility Test"と呼ばれ、昔から軍のサバイバルマニュアルや民間のサバイバルガイドで紹介されている。
説明や解説を加えたり、いくつかの項目を統合したりしている例もあるが、基本は同じだ。
Army Field Manual FM 21-76 (Survival, Evasion, and Recovery)192ページ以降から翻訳してみよう。

1. 一回に食用になり得る植物の一部位以外食べてはならない。
2. 植物を基本的な構成―葉・根・茎・芽・花―に分ける。
3. 強い、または酸っぱい臭気がしないかにおいを嗅ぐ。においだけでは食用かそうではないかは分からないことを忘れずに。
4. テスト開始前8時間は何も食べないこと。
5. 食事を控えている間、肘か手首の内側に植物の一部分を置いて接触によるかぶれがないかどうかテストすること。通常、十分な反応を見るには15分は要する。
6. テストをしている間、濾過した水とテストしている植物の一部位以外は摂取しないこと。
7. 一部位から少量取り、予定している方法で調理すること。
8. 調理した植物の一部位を口に入れる前に、炎症を起こし、かゆみを生じたりしないかテストするため、少量(一つまみ)を唇外側に触れること。
9. 唇に反応がなければその植物を舌に乗せ、15分そのままにする。
10. 反応が全くなければ、その一つまみを徹底的に噛み、そして15分間口をそのままにすること。飲み込まない。
11. 15分間に炎症を起こす、かゆみが生じる、麻痺する、刺激を感じるまたはヒリヒリすることがなければ飲みこむこと。
12. 8時間待つこと。 何か悪影響がこの間に生じたら、吐き出して多量の水を飲むこと。
13. もし悪影響が生じなかったら、同じ調理をした同じ植物の部位を0.25カップ食べること。さらに8時間待つこと。何も悪影響がなければ、その調理をした植物の部位は食べても安全である。


注意
食用の部位とそうでない部位を併せ持つ植物があるので、食用かどうか植物のすべての部位をテストすること。また、料理して食べられると確かめられた植物を生でも食べられると考えないこと。生で食べる前には食用かどうか確かめるため生の部位をテストすること。同じ部位、植物であっても人によって反応に差が生じることがある。



 この手順は、食用植物の知識が全く役に立たない時の最後の手段である。
 危険を伴うし、時間もかかる。
 このようなテストをするより食用植物の正確な知識と経験の蓄積こそ最上の対処であることは言うまでもない。
 また、マニュアル原文を見てわかるようにこのテストは関連する多くの知識の中の一つであって、これだけが唯一の判断材料というわけではない。
 海外のアウトドア技術や食用植物の研究家には、この方法では少量で危険な症状や死をもたらす植物に接した際に危険であると批判する人もいる*1

*1:アウトドア技術の著作やTV番組で知られるレイ・ミアーズ、野外での食料調達に関する著作で知られるジョン・N・カラスなどが英語版Wikipediaでは例に出されている。