映画「ザ・レイド」のトンファーを使うシーンからあれこれ

映画「ザ・レイド」はシラットを中心にアクションシーンの見せ場が多い。
全てのアクションについて何か書いておきたいくらいだが、厄介なのでそこまではできない。
今回はトンファー(サイド・ハンドル・バトン)が登場するあるシーンに絡んだ話を書いておく。


ザ・レイド」のシーン



トンファーと言うと中国拳法か空手の武器として知られているが、東南アジアの武術(カリ、シラット等)でも使われている。


トンファーは架空の世界にもよく登場している。日本でも映画、漫画、ゲームなどに登場する武器として知った人が多いはず。しかし「ザ・ レイド」での活躍は他より優れていると言っていいだろう。


・『新米婦警キルコさん』のアレはオーソドックスなトンファーの用法では使えないと思う。


・現実世界のトンファーが欧米でよく使われるようになったのは1974年にアメリカのモナドノック社がトンファー型の警棒PR-24を発売してから。


・現在も同じモデルが販売されている。→http://www.galls.com/CGBCSTYL?PMSTYL=BA032


・PR-24は、ロン・アンダーソンという警察官の発案による。ある事件で犯人の攻撃を通常の警棒で防御しようとして怪我をし、病院でトンファーの使用を思いついたという。その後、ロン・アンダーソンはモナドノック社とコンタクトを取り、PR-24が生まれた。


・この経緯から分かるように防御に長けた警棒として採用された。もちろん遠心力を生かした打撃や接近戦での制圧技法もある。こういった特性から対武器、対群集に優れた警棒として広まった。


・反面、大きさと形状から邪魔になる、扱いにくいといった欠点がある。


・警察で使われるトンファーの技術は、必ずしも各国の伝統武術ベースというわけではない(参考にはしているかもしれない)。


・一般に打撃と防御の技がよく知られているが、関節技やテイクダウンといった技術がある。特に東南アジアの武術では片手にトンファーを持った状態でその種の技法が豊富にある。
カリの技術の動画



・片手トンファーで片手ナイフの技術というのも以前映像で見た記憶があるのだが確認がとれなかった。


・左右の手に全く扱い方の違う武器を持つというのは難しく、映像や資料が少ない。