以前漫画の中のロシア武術システマ 第4回『ツマヌダ格闘街』『嘘喰い』 - 火薬と鋼で紹介した『ツマヌダ格闘街』について、その後もシステマが登場するエピソードがあった。『月刊ヤングキングアワーズGH』2013年9月号掲載のエピソードである(単行本未収録。15巻以降に収録されるはず)。この雑誌を売っているところが近所になかったため紹介が遅れた。
このエピソードで主人公・八重樫ミツルはライバルである鷹羽和義と試合をしている。ミツルは腹部に突きを受け、ダウンするのだが、システマの呼吸法を行って立ち上がる。
上山道郎『ツマヌダ格闘街』Fight: 86(『月刊ヤングキングアワーズGH』2013年9月号、少年画報社)より
これは前に紹介したエピソードのカイン王子と同じ対処であり、他の登場人物達もそのことを思い出している。事前に鷹羽の攻撃を受けることを想定して対処を考えていたのだ。
上山道郎『ツマヌダ格闘街』Fight: 86『月刊ヤングキングアワーズGH』2013年9月号、少年画報社)より
今回は以前より詳しく説明されている。
空手の腹部への打撃の特性―腹膜にダメージを与える突き―と、その対処としてなぜシステマのバースト・ブリージングが有効なのか、回想シーンで解説されている。下のコマは解説の一部。
システマの呼吸法についての一端を短いながらも分かりやすく解説している。分かりやすさ重視のためか、かなり差っ引いた説明である点に注意。
上山道郎『ツマヌダ格闘街』Fight: 86(『月刊ヤングキングアワーズGH』2013年9月号、少年画報社)より
今後もこのマンガでシステマが登場するようなら、過去分の記事も含めてまとめなおしたい。
これ以降の話(月刊ヤングキングアワーズGH11月号掲載のFight: 88)に登場する主人公の技術(打撃を受けているのに脱力することでダメージを受け手の拳を通じて相手と繋がる)がシステマに通じる側面があることを考えると、システマのコアな部分が主人公の技術と類似しているとする可能性も考えられる。