「小説家になろう」の「古武術」件数が4ヶ月で15倍になっていた

またネット小説投稿サイトに登場する武術の話。
以前出したランキング結果はこちら。
「小説家になろう」登場武術ランキング2015 - 火薬と鋼
「ハーメルン」登場武術ランキング2015と「小説家になろう」との比較 - 火薬と鋼
「ベリーズカフェ」登場武術ランキング2015 - 火薬と鋼
今朝、確認したいことがあって「小説家になろう」を「古武術」でサイト内検索したところ、以前ランキングを作成した時よりも大幅に件数が増えていた。
今年6月には1,590件だったのだが、今朝検索した結果は何と23,800件にもなっていたのだ。順位で言うと16位から2位になった。
いくら何でも15倍に増えたのはおかしいと思って確認してみた。
まず自分の過去のランキングの出し方がおかしかった可能性は低い。複数回チェックしており、記録もしっかりしている。次に他の投稿サイトで同様の検索をして件数の変化を確認したところ、そちらでは変動は少なかった。するとGoogle検索のアルゴリズムの変化のせいではない。
そこで改めて「小説家になろう」を対象にGoogleでサイト内検索し、期間を一年間に絞ったところ、検索結果一覧に同じ文章が無数にみつかった。読んでみると、特定の小説のあらすじが他の作品のページでみつかる状態だ。
小説家になろう」では各小説の下の部分で読者のブックマーク情報から「この小説をブックマークしている人はこんな小説も読んでいます!」と他の作品も紹介している。そのあらすじがヒットしていたのだ。該当するのは次の作品のあらすじの部分である。

両親が亡くなった4歳の頃から人間国宝の祖父の下で古武術を学び、日本にいながらも戦いや殺す技術を学んだ(後略)
http://ncode.syosetu.com/novelview/infotop/ncode/n6290cr/

僅か4ヶ月余りの間に「古武術」の件数を引き上げたのは、この作品が多くの人にブックマークされていたからであることが分かった。
今年5月に掲載開始された連載作品だが、短期間でかなりの評価を得ている。このため万単位で検索結果に変動をもたらした。
武術名の検索結果は、作品人気によって大きく影響を受けるのだが、その好例と言っていいだろう。
小説家になろう」「ハーメルン」は共通の仕組みによって人気作品のあらすじに登場する武術の検索結果の件数にブーストがかかる。そうした人気も武術名の認知の違いに影響すると思われるので、ランキングの作成趣旨からは外れないが、留意しておいたほうがいい点である。