システマの長座でのプッシュと習熟段階の経験談

少し前にシステマ多摩に伺った際の練習に関連してちょっと書いておく。

  • 互いに長座で座って相手を拳でプッシュするこの練習は、自分にとって思い出深い練習方法のひとつだ。
  • この練習に限った話ではないが、自分がいかにうまくできないかということをよく認識できたからだ。
  • 長座で相手を押すには、リラックスがまず重要なポイントになる。肩が力むと相手を押すはずの力が自分を後ろに押すことになり、下肢から下腹部が力むと脚ごと倒れる。
  • これを初めてやった当時の自分は、リラックスが重要ということが分かっても、どうすればリラックスして相手を押せるのかというのがまずわからなかった。
    • この問題については以前書いたように肩を痛めた際に力みを生じさせないコツを知り、次第にできるようになっていった。
    • ステマの練習で求められるリラックス、脱力の最初の入口まで私は一年以上かかったわけだ。入口から先も長くかかっているが。
  • それとは別に課題だったのは、相手の拳に押されないようにするにはどうすればいいか、という問題だ。
    • これについて解決の糸口を知ったのはリラックスの入口よりだいぶ後である。システマセミナーのある練習でインストラクター(複数)の体を押した際の経験がヒントになった。
  • 押されないためにはただリラックスして相手の拳を流そうとしても限度があり、相手にテンションを与えることも必要になる。
    • これをちゃんと知ったのはシステマを開始して3年ほど経ってからで、そこから自分なりに少しはできるようになるまでさらに時間がかかった。
  • これらの要素は個々に独立した問題ではなく、いかに自分や相手を感じ取るか、どう作用するか、そしてその精度全般に関わる。
    • この練習を繰り返したわけではなく、他の様々な練習の経験を重ねてたまにこの練習をやるとできるようになっていた、という感じである。
  • 上述したようなことが感覚的に少しわかるようになると、相手を制しているかどうか、自分が制されるかどうか、かなり早い段階で分かるようになった。
    • 互いの拳が触れる時には成否の多くが分かる。逆に言うと相手と接触する前にかなりの段階はできあがっていなければならない。
  • しかし自分の理解の浅さというか、今後の課題がまだまだある。