ネットには図書館評論家モドキがいる

ネットには図書館関係の話題についてブログやSNSで根拠なしにいい加減なことを書いて広める評論家まがいの人がいる。
商売として成り立たないので他のメディアに進出することはないだろうが、SNSで信じて広めている読者がいるので、思わぬところで目にする機会がある。
先日もその手のネット評論家の文を読んで気になったので、ちょっとそういうパターンについて書いておく。

  • 実務者でも研究者でもない。

実際に図書館に勤務している司書であるとか図書館行政に関与しているとか研究者であるとかではなく、伝聞と断片的な文章を元に図書館全体に詳しいかのような評論まがいの文章を書く。
ただし実務者でも自分が経験も勉強もしていないことをさも知っているかのように書く人もいる。特定分野で評価されると他のよく知らない分野でも同じようにふるまうし、周囲も同様に扱ってしまうのだ。

  • 主語がやたら大きい。

「日本の図書館は」「アメリカの図書館は」等々総括的な言及をよくする。
しかし統計を把握しているわけではなく、それほど多くの情報を整理しているわけでもなく、印象だけで書いている。ひどい時にはその印象さえ別のネット評論の引用、孫引きである。
事実と合わないことを総括として書くが、分かりやすい断言であるため一般受けが良い。

  • 法律知識がない。

図書館法、著作権法等、図書館に関連する法律への言及をしているのに法律知識がない人がいる。知識があっても体系的な知識ではなく理解がおかしい。海外の法律の話になるとこの問題は特に悪化する。条文も判例も文献も示さないまま法律について印象を語る人間の解説は信じるべきではない。