『はたらく細胞』の白血球(好中球)のナイフはアンチテロではなくカラテルではないか

現在放送中の『はたらく細胞』というアニメがある。
人体内部の細胞や細菌を擬人化した同名の漫画が原作である。

この作品に登場する白血球(好中球)は体内に侵入した細菌やウイルスと戦う時にナイフを使う。
このナイフ、原作コミックで設定が描かれており、ロシアのナイフ・アンチテロをモデルにしたとある。

このため、アニメ放送開始からこのナイフの実物の画像を公開しているウチの記事ロシア軍特殊部隊ナイフ"アンチテロ"を紹介する人が増えた。
しかしこの漫画とアニメのナイフは、よく見ると同じ製造会社Melita-K社の別のナイフ・カラテルのほうに似ているのである。
(上)アンチテロ (下)カラテル

アンチテロは細身で先端にいくほど鋭く、背のラインが下がっている。一方カラテルは幅があって背のラインが膨らんでいる。
また、この画像と同じように白血球が使うナイフはギザギザのセレーションがエッジについている。
実物のカラテルにはバリエーションがあって、このセレーションがないものもあるが、私が2012年に公開したこの画像を参考にして勘違いした可能性もあるのではないか。何しろアンチテロにはこのセレーションつきのバリエーションはないのだ。
ともかく、漫画やアニメに出てくるナイフに似ているのはどちらかと言えばカラテルのほうなのである。
カラテルについては以前ロシア軍特殊部隊用ナイフ "カラテル"で紹介した。
改めて撮影しなおした画像を出しておく。



余談。

  • 白血球が持つナイフは実物と同じく片側にコウモリの印(下)がついている。漫画にはそれが見える場面が複数ある。例えばコミック3巻の表紙絵にもそれらしい部分がある。

  • 白血球が持つナイフの柄(ハンドルという)は、長く描かれる傾向がある。アニメ公式のキャラ紹介でも逆手に持ったナイフのハンドルが持ち手で隠れずにかなり出ている。しかしハンドルが上下にあまりはみ出さないほうが実物のナイフの大きさに近い。実物を逆手で持つとハンドルの黒い部分は手の両側にはほとんど見えなくなる。