こうなれば良かった美味しんぼ

ついに海原雄山山岡士郎が和解というので話題になっているが、あの展開で納得できた人はどれだけいるのだろうか。私は伏線がかなり前からはられていたので正直飽きていてどうでもいいと感じた。あの原作者もすっかり話としての面白さを出せなくなっているわけで、期待してもしょうがない。せめてここで一発逆転の面白い展開になればまだ良かったのに…と思って妄想してみた。


・今週号までの究極対至高の対決と途中までほぼ同じ展開。雄山の料理も同じ。
・山岡はここで和解をはねのけ、雄山が知らない母親の料理を勝負に持ち出す。家族を犠牲にして省みなかった雄山の過去が改めて浮き彫りになる。
・和解からは程遠い初期イメージに近い二人の対峙がここで見られる。
・この展開に最もうろたえたのは栗田ゆう子。周囲の人間を常にコントロールしてきた彼女は、これまで山岡の記憶さえ捏造しようとしたが、山岡の母親の料理までも偽ることはできなかった。
・近年ストーリーに登場していた雄山の人間味ある過去は、実は雄山、ゆう子、雄山の信奉者達が自らに都合が良いように誇張、捏造したものである。
海原雄山はこれまで栗田ゆう子の目論見を知っていた上でそれに乗った。雄山は体面を守ることを何より重視するからである。体面のためには息子をコントロールしなければならず、そのためにはゆう子が必要であった。
・もちろん陽士と遊美は雄山の子である。これは読者なら誰もが一度は考えたことだろう。
・勝負のテーマそのものから離れた山岡は負けるが、究極対至高という枠を越えて海原雄山に(そして栗田ゆう子に)痛打を与える。
・山岡は東西新聞社を辞職。海原雄山との馴れ合いと決別し、栗田ゆう子ら偽りの家族からも離れる。
・全てを失った山岡士郎はいかにして巨悪と戦うのか!?


 こうして美味しんぼ第二部に突入する。失うことから全ては始まる。
参考:
美味しんぼ 野望の王国 栗田編
美味しんぼの次の展開では久々にアナーキーな雁屋哲が見たい