検索がうまくいかない人

machida77 学生に情報検索演習やった経験から言うと「思いつく語彙が少ない」「複数の検索語・条件を設定しない」「一度思いついた検索語・検索方法にこだり続ける」が失敗の基本。
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 ここで書いた話をもうちょっと詳しく書こう。
 情報検索について学生に教える場合、まず基本的な検索の知識(用語やベン図など。ベン図は公務員試験の論理で役立つよ、などと添えつつ教える)や検索ツールの特徴について教える。演習では実際に検索ツール(サーチエンジンやデータベース)を使って検索してもらうわけだが、上のコメントのようなことをやらかす学生がかなりいた。特に検索エンジンを使わせるとこうした失敗をする学生が出てくる。ちゃんとした情報利用行動の調査ではないので雑感に過ぎないが、いくつか失敗の様子を書いてみる。


(1) 問題文から検索キーワード
 まず、多くの人は設問からキーワードを切り出す。設問を短縮したような文章を検索キーワードにする人も必ずいる。
 この方法の最大の問題点は、「問題文に出てくる単語が求める内容には登場しない設問」に解答できないこと。例えば「〜から10万円を超す時計を探してください」という設問で、検索キーワードに「10万円 時計」と入れて検索したら抜け落ちる情報がかなり出てくる。
 文章を検索キーワードとする弊害も似たようなものだ。現在のメジャーな検索エンジンは優秀なのでかなり抜けたキーワードに対してもそれなりの結果が得られる。ただし、それだけでは十分な情報が得られない事があるのも事実だ。


(2) 語彙力の問題
 類義語とかシソーラスとかを意識する人は少ない。「同じ意味の違う言葉でも検索するといい」と教えてもできない人はいる。これは主に語彙力の問題だが、柔軟な思考や発想の問題でもある。とにかく最初に思いついたキーワードを重視してしまう人は多い。
 中には「最初に思いついたキーワードで検索してもみつからない→該当する情報はない」と思う人までいる。どんだけ自信家なんだお前は。


(3)機能を使いこなせない
 大抵の人は1〜2個の検索キーワードを並べて検索して終わりだ。有効な機能を教えても使わない。
 ひょっとすると「検索キーワード一つで望んだ結果が一番上に表示される」という、最近の広告のような使い方ばかり認識しているのかもしれない。


(4) 失敗の対処がまずい
 最初の検索キーワードで思うような結果が出ない場合、どうするか。同じ検索をもう一度繰り返す人が必ずいる。まるで道に迷ったネズミが同じ道にまた戻ってくるかのように。
 思うような検索結果が出てこない時、どう再検索するかはかなり知識や発想の差が出てくる。ひどい場合は同じ検索を繰り返す、ひたすら後ろにキーワードを増やし続けるといった方法をとる。


(5) 検索結果の評価ができない
 特に未知のものを探す場合、検索結果のページを開いても、その内容を理解したり評価したりするのは難しい。あるいはそこから先のリンクにどう対処すればいいのか分からなくなる人は多い。例えば「日本最初のホームページ」を探させると日本最初のホームページのほうを答えとして提出してしまう、といったように。この場合、検索結果を開く→望んだ情報がない→再検索という行動に出る人もいる。本当の答えはこの検索結果に出てきたページ内のリンクから更にリンクを探す必要があるのだが、検索結果と直結していないと対応できなくなる人がいるのだ。


 これらの問題は相互に関連している。できない人はとことんできない。隣の人間の真似をしてようやく人並みに近づく。隣の人間もとことんできない場合は…できないまま終わる。そういう人は答え合わせもよく聞かないし、何も検索について分からないままだ。質問してくるような人はいいのだが。