某新聞社が、「『シン・ゴジラ』に関するツイッター上の男性のつぶやきに、最も多く含まれる出演者名は圧倒的に石原さとみ」→「この映画に関して男性の評価が高いのは、石原さとみが出演していたからだ」と結論づけていて、安易なデータ分析の恐ろしさを知った。
— もりちか/まるたぁ小屋 (@marutar) 2016年8月22日
映画『シン・ゴジラ』を分析した新聞記事に関する以上のようなツィートがあった。
しかし本当にそのような内容の記事はあったのだろうか。
これに該当しそうなツィート分析を扱った記事は日経産業新聞の2016年8月8日の7面に掲載された“「シン・ゴジラ」公開――「エヴァ」ファン開拓、同じ監督、配役にも関心(ツイッター分析)”という記事だ。
新聞記事データベースの『日経テレコン21』で「石原さとみ」で記事検索して全国紙・地方紙を含む各新聞を確認したので、他紙に該当する記事はないはずである。
分析を行ったホットリンクのサイトでも日経産業新聞の記事しか紹介されていない。
日経産業新聞7面『「シン・ゴジラ」公開』と題した記事にて、 ホットリンクの「クチコミ@係長」分析が紹介されました | 株式会社ホットリンク
日経産業新聞の記事から『シン・ゴジラ』出演者に関する部分を引用してみよう。
出演者のツイート件数では男性が「石原さとみ」、女性が「野村萬斎」がそれぞれ1位となった。勝ち気で英語交じりの日本語を話す米国大統領特使を演じた石原さんは作中で目立っていたが、野村さんは姿を見せていない。
これは人の動きを読み取り映像に反映させる「モーションキャプチャー」の技術を活用してCG(コンピューターグラフィックス)で表現したゴジラ役を野村さんが担ったためだ。
「シン・ゴジラ」公開――「エヴァ」ファン開拓、同じ監督、配役にも関心(ツイッター分析)(日経産業新聞2016年8月8日)より
日経産業新聞の記事ではツィート件数による出演者の評価の分析はない。
石原さとみについても役柄と「作中で目立っていた」程度しか説明されておらず、石原さとみの出演と男性の評価との因果関係については何も書かれていない。
上に引用したツィートで紹介された結論とあまりに違うので、私が見落とした可能性も考えたが、自分が探した範囲では一致する内容の新聞記事はみつからなかった。
該当する記事に心当たりがある人は教えてほしい。